
Googleの最新スマートフォン「Pixel 9a」が先月、インドを含む世界各国で正式に発売されました。Pixelシリーズの中では最も手ごろな価格帯で登場したこのモデルですが、実は上位モデルである「Pixel 9」と多くの仕様を共有しています。中でも注目なのが、両モデルに搭載されているGoogle独自のチップ「Tensor G4」です。
同じプロセッサを搭載しているとなれば、「性能も同じでは?」と考えるのが自然。しかし、実際のベンチマークスコアを見ると、そこには明確な違いが表れています。91mobilesが両モデルの性能を比較し、その違いを検証していました。
ベンチマークテストではPixel 9が優勢
AnTuTuスコアではPixel 9が15%上回る結果に

まずは総合性能を測るAnTuTuベンチマークから。Pixel 9aは8GBのRAMを搭載しているのに対し、Pixel 9は12GBと余裕のある構成です。この差がそのままスコアに表れており、Pixel 9aのスコアが約110万に対し、Pixel 9は約128万と、15%の差をつけています。
- Pixel 9:1,284,962点
- Pixel 9a:1,104,665点
GeekbenchではCPU単体でもPixel 9が上位に

CPU性能をより細かく見るGeekbenchテストでも、Pixel 9は安定して高スコアを記録。シングルコアでPixel 9が1,711、Pixel 9aが1,534。マルチコアではそれぞれ4,545と3,954という結果に。10〜13%程度の差があります。

- Pixel 9:シングル 1,711/マルチ 4,545
- Pixel 9a:シングル 1,534/マルチ 3,954
プロセッサ自体は同じでも、メモリ容量の違いが処理性能にしっかり影響していることがうかがえます。
負荷時の安定性と発熱ではPixel 9aが健闘
高負荷テストではPixel 9aがわずかに上回る
性能のピーク時だけでなく、持続性も重要な指標です。CPUに連続で高い負荷をかけ、処理能力の落ち込みを計測する「Burnoutテスト」では、Pixel 9aが44.3%の持続性能を記録。Pixel 9は40.8%と、やや落ち込みが見られました。

ただし、この差は日常の使用で体感できるほどではなく、両モデルとも優れた持久力を備えているといえるでしょう。
ゲーム中の発熱はPixel 9aの方が少ない

ゲーム性能に関しては、「COD Mobile」「Real Racing 3」「BGMI」の3タイトルを30分ずつプレイし、端末の温度上昇を測定。結果としてPixel 9aは12℃の上昇にとどまりましたが、Pixel 9は18.4℃まで上昇。冷却性能や筐体設計の違いが影響していると考えられます。
価格差が選択の決め手に
Pixel 9aは日本で79,900円、一方でPixel 9は128,900円と、約5万円の価格差があります。
Pixel 9aはこの価格差を考慮すると、非常にコストパフォーマンスの高い選択肢といえます。高性能なプロセッサに加え、発熱の少なさや大容量バッテリー、改良されたフロントカメラなど、普段使いには十分すぎる内容です。
一方、Pixel 9はよりパワフルな処理性能や高級感のあるデザイン、上位のカメラ性能、高速充電といったフラッグシップらしい特長をしっかり備えており、スマホにより多くを求めるユーザーにはふさわしい選択となるでしょう。
選ぶべきは、あなたの使い方次第。コスパ重視ならPixel 9a、ハイエンド体験を求めるならPixel 9が正解です。