Pixel 10シリーズ、チップ性能差がさらに拡大?TensorとSnapdragonのベンチ比較から見えた現実

Tensor G5搭載のPixel 10、正式発表へ

Googleが8月21日に正式発表を予定している次期フラッグシップモデル「Pixel 10」シリーズ。その中心となるのが、新型チップセット「Tensor G5」です。今回のTensor G5は、製造をTSMCが担うこともあり、これまでのSamsung製からの転換によって一定の性能向上が見込まれています。

しかし、ベンチマークスコアを見る限り、他のハイエンドAndroidスマートフォンに搭載されているQualcomm製Snapdragon 8シリーズとの性能差は依然として大きく、しかも年々その差が広がっていることが明らかになりました。

世代ごとに開く性能差、最大で70%に

スマートフォンのパフォーマンスを測る代表的な指標である「Geekbench 6」のマルチコアスコアをもとに、各世代のTensorチップとSnapdragon 8シリーズを比較すると、以下のような推移が見られます(データ出典:nanoreview.net)。

Snapdragonチップスコア対応するTensorチップスコア性能差
Snapdragon 8883423Tensor G132087%
Snapdragon 8 Gen14002Tensor G238025%
Snapdragon 8 Gen25299Tensor G3444219%
Snapdragon 8 Gen37304Tensor G4483551%
Snapdragon 8 Elite9723Tensor G5571270%

初代Tensor G1およびG2の時代には、Snapdragonとの性能差は1桁台にとどまっていました。しかし、G3以降は差が一気に拡大。特にTensor G4では、Snapdragon 8 Gen3との差が50%を超え、さらに最新のG5では70%という、深刻な差が出ていることが分かります。

Pixelの魅力は性能以外にあるとはいえ…

Pixelシリーズは、AI処理やカメラ画質、長期サポートといった面で独自の強みを持ち、「性能だけでは語れない魅力」を備えたスマートフォンです。しかし、ここまでベンチマーク上の性能差が広がってしまうと、ゲーム性能やマルチタスクにおいてSnapdragon搭載機との差を感じるシーンも増える可能性があります。

まとめ:Pixel 10は何で勝負するのか?

性能差がここまで開く中、Pixel 10シリーズは他のハイエンド機とどう差別化を図っていくのか。カメラ、AI、OSアップデート保証といった“Pixelならでは”の武器に、どこまでユーザーの信頼を集められるかが問われそうです。