
Nothing先日リリースした、最新モデル「Phone (3a)」シリーズ。
同モデルではストレージ規格としてUFS 2.2を採用しており、これについてはユーザーからネガティブなリアクションが少なくないのも事実。
そんな中、Nothingが公式サイト上で、このNothing Phone (3a)シリーズでのUFS 2.2採用の理由について説明していました。
性能・コスト・実用性のバランスを重視
スマートフォンの開発では、性能・コスト・ユーザー体験のバランスが重要です。ハイエンド仕様を詰め込めば価格は上がり、実際の使用感が価格に見合わなければ意味がありません。
Nothingは、「Phone (3a)」シリーズでUFS 2.2を採用した理由について、単なるコスト削減ではなく、ユーザー体験を最大化するための選択だと説明しています。確かにUFS 3.1の方が理論上高速ですが、ソフトウェア最適化やバッテリー持続時間、ディスプレイ品質といった他の要素とのバランスを考慮すると、必ずしも必要ではないという判断です。
UFS 2.2とUFS 3.1の違いは実際に体感できるのか?
「UFS 3.1の方が数字が大きいから優れている」と思う人もいるかもしれません。しかし、日常のスマートフォン利用において、その違いを体感できる場面は限られています。

一般的な使用シナリオ
- メッセージングやWebブラウジング、SNSでは、UFS 2.2とUFS 3.1の差はほぼ感じられません。
- アプリの起動速度もほとんど変わらず、重いアプリでもわずかな時間差しかありません。
- ゲームのインストールや大容量ファイル転送ではUFS 3.1の方が速いですが、これらの作業は日常的に頻繁に行うものではありません。

Nothingは、こうした現実を踏まえ、ソフトウェアの最適化に重点を置くことで、UFS 2.2でも実用上はハイエンドストレージと遜色ない体験を提供できるとしています。
システム最適化によるパフォーマンス向上

UFSの速度は「シーケンシャル(連続データ転送)」と「ランダム(ランダムアクセス)」の2つの指標で測定されます。Nothingは特にランダムアクセスの最適化に力を入れています。
- Nothing OSの最適化により、アプリの起動やマルチタスクがスムーズに。
- Smart Clean技術で不要なシステムファイルを整理し、読み書き速度を向上。
- NTFS最適化により、大容量ファイルの処理効率をアップ。
これらの施策により、実際の使用感としてはUFS 3.1搭載機とほぼ同等のパフォーマンスを実現しています。
未来への対応は?
一部のユーザーからは、「UFS 2.2は将来的に性能不足にならないか?」という懸念の声も上がっています。しかし、Nothingは以下の点を強調しています。
- スマートフォンのパフォーマンスはハードウェアとソフトウェアの最適化が鍵。
- Nothing OSの継続的なアップデートにより、長期間にわたり快適な使用が可能。
- 現在のアプリやゲームは、幅広いストレージ規格に対応するよう設計されている。
つまり、スペックシート上の数値ではなく、長期間にわたって安定した動作を維持できることこそが「未来への対応」であるとNothingは考えています。
Nothingのこだわりが生んだ選択
Nothing Phone (3a)シリーズにUFS 2.2を採用した背景には、単なるコスト削減ではなく、「本当に必要な部分にリソースを集中させる」という明確な方針があります。性能を最大限に引き出すためのソフトウェア最適化により、実際の使用感ではハイエンド機種と遜色ないレベルを実現。Nothingは今後も、単なるスペック競争にとらわれず、ユーザーにとって最良の体験を提供することを目指していくでしょう。