Xiaomi Mi 11 Lite 5GのSD780Gは「失敗作」なのか?ベンチマークスコアの「不安定さ」の検証

シャオミが今月初めにSIMフリーモデルとしてリリースした最新モデル、Xiaomi Mi 11 Lite 5G。

割引額の大きいMVNOでは極端な品薄で入手困難な状況が続いているようですね。

一方、このXiaomi Mi 11 Lite 5Gは発売当初から一部のゲームがまともに動作しないといった問題や異常発熱といったトラブルの報告が目立つのも事実。

また、最近ブラウジングといった低負荷の日常的な動作をしているだけでも電源落ちやフリーズといった問題が発生することもあるようで、一言で言うと「不安定」という印象です。

この問題、非常に気になっていたのでちょっと調べてみたところ、ベンチマークスコアにもその「不安定さ」が現れていることが判明しました。

以下はXiaomi Mi 11 Lite 5G (国内版と海外版のミックス)の期近50回分のベンチマークスコア測定結果の平均値と標準偏差をまとめたもの。

Xiaomi Mi 11 Lite 5G
シングルコア(平均)756
マルチコア(平均)2302
標準偏差(シングル)65
標準偏差(マルチコア)268

一方、以下は同じ5nmプロセスですが、ハイエンド向けチップ、Snapdragon 888 (今回はXperia 1 IIIのものを使用)のもの:

Xperia 1 III
シングルコア(平均)1120
マルチコア(平均)3508
標準偏差(シングル)10
標準偏差(マルチコア)131

スコアに違いがあるのは当然ですが、注目していただきたいのは標準偏差の差

Xperia 1 IIIの標準偏差がスコア平均の1~3%程度なのに対し、Xiaomi Mi 11 Lite 5Gのマルチコアでは1割以上となっているのが分かります。

標準偏差とは簡単に言うと平均値からの乖離地の平均。
つまりこの数値が大きければ大きいほど計測毎のスコア差が大きく、性能が「不安定」ということになります。

ちなみに今回の比較対象にXperia 1 IIIを選んだのは、同モデルでも発売直後から発熱などが問題となっており、国内では現在ちょっとした「問題児」とされているため。

さらにSnapdragon 888も発熱問題を抱えているとも言われており、過去のチップと比べて特段安定したチップ、というわけではありません。

それにもかかわらず、SD780GのスコアがSD888と比べてこれだけ不安定、というのはやはりちょっと異常な気がします。

国内版においてはFelica搭載による構造的な違いが発熱などの原因になっている、という指摘も。
ただ、ベンチマークスコアを見る限りは国内版と海外版でスコア平均、そして標準偏差に違いは見られず、そういった意味で少なくともFelica有無がベンチマーク性能に影響を与えている、ということはなさそう。

一方、ご存知の方も多いようにこのSnapdragon 780Gを搭載している機種は今のところXiaoi Mi 11 Lite 5Gのみで、どうやら今後も増えることはなさそう。

そのため、同チップを搭載した他機種と比較する、という事ができないため、この問題がチップ起因なのかXiaomiのファームウェアなどに原因があるのかという切り分けができないのも厄介なところです。

これ、仮に多少の問題があっても2万円(MVNO割引適用の場合)という破格なのだから問題ナシ、と考えるのか、SD780G搭載モデルなのだからもう少ししっかりしてほしい、と思うのかは人それぞれだと思います。

よって、購入の際に自分が何を最優先としているのか、という点だけはしっかりと確認した方がよさそうです。

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