Googleは、先月に予告していたChrome for Androidのアドレスバー下部表示機能を本格的に展開し始めました。これにより、片手操作の快適さが大幅に向上し、特に大型スマートフォンユーザーにとっては待望のアップデートとなっています。
新たなUIが段階的に反映中

今回の変更により、Chromeでは「アドレスバーを下に移動できます」といった案内が表示され、そこから新しい設定メニューを開くことでアドレスバーを画面下部へ移動するオプションが選択可能になります。同時に、「リンクをコピー」のショートカットもすぐに使えるようになりました。
設定画面には「アドレスバー」という新しい項目が追加され、ユーザーがいつでも上部・下部の切り替えを行えるようになっています。

アドレスバー(Omnibox)が画面下に配置されることで、ジェスチャーナビゲーションバーのすぐ上に表示され、親指だけでも快適に操作できる設計になっています。また、従来の3点リーダー(メニュー)も位置が少し下がった程度で、大きな変更はありません。既存ユーザーの「指の記憶」に配慮しつつも、共有ボタンなどがよりアクセスしやすくなっている点は好印象です。
長年の構想がついに実現へ
実はこのアドレスバー下部表示案、最初に検討されたのは2016年。当時は正式導入直前で中止となりましたが、その後もGoogleはiOS版Safariのようにツールバーのみを下に配置するUIを試すなど、さまざまなアプローチを模索してきました。
それでもChromeは長年、アドレスバーを上部に固定した従来のスタイルを維持してきました。とはいえ、2023年にはiOS版Chromeで先行導入されており、今回のAndroid版への展開は満を持しての実装といえるでしょう。
利用方法と注意点
下部表示の機能を試すには、Chrome for Androidのバージョン138が必要です。アップデート済みでも表示されない場合は、「アプリ情報」からChromeを「強制停止」することで表示されることがあります(場合によっては2回試す必要があります)。
片手操作が主流になりつつあるスマートフォンの世界において、Chromeのアドレスバー下部表示はまさに時代に合った進化といえるでしょう。今後、より直感的なUI設計への取り組みが進む中で、こうした細やかな変更がユーザー体験をさらに洗練させていきそうです。