リサーチ会社のCpunterpointが2021年に出荷されたAndroidスマートフォンに搭載されたチップセットのシェアを公開していました。
今回のものはクアルコム、Mediatek、サムスン、UNISOC、そしてGoogle製のチップセットをシェアを端末の価格帯ごとに分けたもの。
ご覧のようにハイエンド(高価格帯)モデルほどクアルコム製チップ、つまりSnapdragonのシェアが多く、中~低価格帯ほどMediatekのシェアが多くなっているのが分かります。
なお、以下はCounterpointがまとめていた概要の中で特に興味深いと思った点:
- クアルコムは2021年もミドルハイ(300ドル~499ドル)のスマートフォン分野で、2020年の53%から65%へとシェアを拡大、圧倒的な強さを見せている。Snapdragon 870、720G、750G、778Gは、このセグメントにおけるクアルコムの主要なボリュームドライバーとなるチップセットでだった。
- 500ドル以上のスマートフォンにおけるクアルコムのシェアは、Snapdragon 888と8Gen 1の発売により、2020年の41%から2021年には55%に増加。
- MediaTekの成長は、299ドル以下のスマートフォンからもたらされました。成長は、この価格帯でLTEと5Gの両方のSoCでみられました。
- 100ドルから299ドルの価格帯のAndroidスマートフォンでは、MediaTekが52%のシェアを占め、市場を独占。Dimensity 700と800が、中国、インド、米国と欧州の一部などの市場で5Gスマートフォンの大量導入を推進しました。これにより、realme、Xiaomi、OPPO、vivoなどのブランドは、小売価格200ドルを下回る価格帯で5G携帯電話を発売することができた。
2022年はハイエンド、アッパーミドルでもMediatekの成長が期待
そして2022年を占う上で重要なのが以下の部分:
Dimensity 8100/8000の発売により、300ドルから499ドルの価格帯でのポジションを強化することを視野に入れています。これらのチップセットは、電力効率と性能を向上させたR16ベースバンドをサポートしています。またDimensity 9000で、MediaTekは2022年にプレミアムセグメント(500ドル以上)に参入しようとしている。OPPO、vivo、Xiaomi、HONORなど、ほぼすべての中国のスマートフォンOEMが、このチップセットを搭載した携帯電話を発売する予定。当社のチップセットトラッカー予測によると、MediaTekはプレミアムスマートフォンセグメントで約10%を獲得する可能性があります。
プレミアムフラッグシップのセグメントではまだほとんどシェアのないMediatekですが、このDimensity 9000や8000シリーズは性能面でSnapdragonを上回っていることは間違いなさそう。
そういった意味でMediatekチップがハイエンド市場でシェアを10%獲得、というのは十分可能ではないかと思います。
Exynosはレギュラーハイエンドではまだまだ強し?
なお、今回の調査結果で個人的に興味深いと思ったのが$700-$799のレンジ。
この層では唯一サムスン製チップ、つまりExynosがトップシェアとなっています。
この価格帯はおそらく無印のGalaxy S21だと思われますが、Exynos搭載モデルが展開されているのは欧州や韓国など限定的です。
それにもかかわらずこの価格帯で他の機種も含めてExynosが最大シェアを獲得しているというのは驚きで、Galaxy Sシリーズのハイエンドモデル市場での変わらない存在感を示しているとも言えそうです。
ソース:Counterpoint
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