
折りたたみスマホ最大の課題がついに解消か
折りたたみスマートフォンにおいて長年の課題とされてきた「ディスプレイ中央の折り目(クリース)」。これまで多くのユーザーが、スマホとタブレットの利便性を両立するその形状のメリットと引き換えに、この目立つ線を受け入れてきました。しかし、いよいよその“妥協”が過去のものになろうとしています。
業界で信頼の厚いアナリスト、ミンチー・クオ氏の最新レポートによれば、2025年後半に登場予定の「Galaxy Z Fold 8」は、画面上の折り目をほぼ完全に解消した新型ディスプレイを搭載する可能性が高まっています。
核となるのはFine M-Tecのレーザー加工ヒンジ
この大きな進化を支えるのが、韓国の精密部品メーカー Fine M-Tec による新開発のヒンジ技術です。レーザー加工によって穴をあけた金属プレートを用いた最新ヒンジにより、ディスプレイの折りたたみ時にかかるストレスを均等に分散。これにより、これまで避けられなかった「折り目」を視認できないレベルまで軽減できるとされています。
Fine M-Tecはすでに、この次世代ヒンジの量産体制を強化するための大規模な設備投資を進めており、Samsungはこの技術をGalaxy Z Fold 8に初めて採用する見込みです。
Appleも同じ技術を採用へ、ただし主導権はSamsungに
さらに興味深いのは、AppleもこのFine M-Tec製ヒンジの採用を予定している点です。Appleは自社でヒンジ技術を開発せず、Samsungの部品サプライヤーと同じくFine M-Tecに委託することで、初のフォルダブルiPhoneの量産に向けた準備を進めているとみられています。
これにより、Appleの高い品質基準が業界全体の技術進化をさらに加速させることにもつながりそうです。ただし、折り目のないディスプレイを初めて搭載するのは、どうやらSamsungのZ Fold 8になりそうです。
Samsung、再び折りたたみ市場の先頭に
かつてはiPhoneの有機ELディスプレイにおいても、Samsungが自社スマホよりも先にAppleに最新技術を提供した例がありました。しかし今回は、Samsung自身がその最先端技術の“最初の恩恵”を享受する立場に回ると見られています。
まだ正式発表には至っていませんが、Galaxy Z Fold 8は折りたたみスマートフォンの歴史を変えるモデルになるかもしれません。これまでユーザーが当たり前のように受け入れてきた「折り目」がなくなることで、視覚体験はさらに自然で没入感のあるものへと進化するでしょう。
今後の注目ポイント
Galaxy Z Fold 8が先陣を切ってこの“クリースレス革命”を実現すれば、他メーカーも追随するのは時間の問題です。そして、その波はAppleのフォルダブルiPhoneを皮切りに、業界全体に広がる可能性があります。いずれにしても、2025年後半はフォルダブル市場にとって大きな転機となりそうです。Samsungの次の一手から、ますます目が離せません。