ソニー初の200MPセンサーはサムスンとどう違う? 「LYTIA 901」を徹底比較

スマホ向けイメージセンサー市場で新たな動きです。ソニーが200MPクラスとしては初となる大型センサー「LYTIA 901」を正式発表し、これまで独走してきたサムスンの200MPシリーズに本格参入しました。画質の方向性から採用モデルの狙いまで、両社の最新センサーを比較しながらその特徴を見ていきます。


■ センサーサイズと画素構造の違い

まず大きく異なるのがセンサーサイズです。ソニー LYTIA 901 は 1/1.12インチというクラス最大級の大型センサーを採用し、0.7μm画素に独自の「Quad-Quad Bayer Coding(QQBC)」配列を組み合わせています。大きな受光面積と独自配列によって、単一センサーでも望遠域までカバーできる設計になっています。

一方、サムスンは複数の200MPセンサーを用途に応じて展開しています。

  • HP2: 1/1.3インチ(Galaxy S25 Ultraに採用)
  • HP5: 1/1.56インチ
  • HP9: 1/1.4インチ(Vivo・Xiaomiの望遠カメラ向け)

センサーの小型化や多眼構成との相性を重視するのがサムスンのアプローチと言えます。


■ ピクセルビニングとズーム処理

ソニー LYTIA 901 の特徴は、AI処理をセンサー内部で行う点。QQBC構造により16画素をまとめて高感度撮影し、ズーム時にはその場でリモザイク処理を実行。最大4倍のインセンサーズームでも画質が破綻しにくく、動画撮影中のズームにも強みを発揮します。

対するサムスンは「Tetra²pixel」により、状況に合わせて12.5MP/50MP/200MP を切り替える仕組みを採用。さらに光学3倍望遠と組み合わせることで最大12倍のハイブリッドズームにも対応します。多眼構成を前提とした柔軟なズーム戦略が特徴です。


■ HDR処理と色再現

ソニーは大幅にHDR性能を強化しており、DCG-HDRや12bit ADCに加えて、複数の露光情報を合成する HF-HDR を搭載。特に逆光や夜景などのコントラストが強いシーンで、100dBを超える高いダイナミックレンジを実現します。

サムスンのHP2/HP9もSmart-ISO ProやDSGなど強力なHDR技術を持ち、最大14bit色深度に対応。ただし、AIによるリアルタイム補正はソニーのほうが踏み込んでおり、書類の読み取りや細かいパターン認識などで精度が高いとの声もあります。


■ フレームレート・動画性能

動画面では両社の方向性が異なります。

ソニー

  • 200MP RAW:10fps
  • 50MP:30fps
  • 12.5MP:60fps
  • 8K/30fps、4K/120fps
  • ズームしながらの4K撮影でも高画質維持が可能

サムスン

  • 200MP:最大15fps(HP2)
  • FHD:最大480fps
  • 4K:120fps
  • 8K:30fps
  • スーパースローモーション性能ではサムスンが優勢

スローモーション特化のサムスン、大判センサーで「一本構成」を狙うソニーという構図です。


■ 想定される搭載モデルと戦略

ソニー LYTIA 901 は、複数カメラを減らしても画質を犠牲にしない「単一メインカメラ重視」のフラッグシップ向け。Oppo Find X9 Ultra や Vivo X300 Ultra など、カメラブランドを取材の象徴とするモデルに広く採用される見込みです。

一方、サムスンの200MPシリーズは位置づけが多層的。

  • HP2:Galaxy S25 Ultraなどトップモデルのメインカメラ
  • HP5:ミッド~ハイレンジ向け
  • HP9:望遠・ペリスコープ専用

カメラ構成の自由度やコスト設計に大きく寄与する点が強みです。


■ どちらが優れているのか

総合すると、

  • 単一センサーで高倍率ズームまで完結したい → ソニー
  • 多眼構成で柔軟に最適化したい → サムスン

という明確な住み分けが見えてきます。
スマホメーカーは、求めるデザイン・価格帯・カメラ構成に合わせて2つの方向性から選べる時代に入りました。

どのセンサーが「最強」かではなく、どの体験を目指すか──2026年のスマホカメラ競争は、さらに深い領域に入っていきそうです。

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