
任天堂の最新ゲーム機「Switch 2」をめぐり、価格改定の可能性が改めて取り沙汰されています。表向きには本体価格は据え置かれているものの、業界アナリストの見解では、すでに「実質的な値上げ」が進んでいるとの指摘も出ています。
背景にあるのは、AI需要の拡大によるメモリ価格の高騰です。部品コストの上昇が、ゲーム機市場にもじわじわと影響を及ぼしているようです。
表向きは449.99ドルのまま
任天堂の古川俊太郎社長は最近、価格に関して大きな変更は想定していないとの姿勢を示しました。実際、「Switch 2」の通常版は米国で449.99ドル、欧州の一部地域では469.99ユーロで販売が続いています。
しかし、業界コンサルタントのマシュー・ボール氏は、ゲーム業界メディアの取材に対し、任天堂はすでに巧妙な形で価格調整を行っている可能性があると語っています。
「マリオカート」同梱版終了がカギに
ポイントとされているのが、「マリオカート ワールド」同梱版の終了です。このバンドルは2025年後半に販売終了となり、その後は在庫限りの状態が続いています。
このセットは499.99ドルで、本体とソフトを別々に購入するよりも約30ドル割安でした。「Switch 2」購入者の大多数が「マリオカート ワールド」を選ぶとされる中で、バンドルの終了は実質的な負担増につながるという見方です。
ボール氏は、この決定は主にDRAM価格の上昇が理由だと分析しています。メモリコストの急騰が、収益確保の観点からバンドル継続を難しくした可能性があるというわけです。
ストレージ事情も負担増の一因
さらに、ストレージ容量の問題も無視できません。「Switch 2」向けの大作タイトルでは、たとえば「ファイナルファンタジーVII リバース」のように、本体内蔵ストレージの3分の1以上を消費するケースもあります。
本体容量が限られる中、ユーザーは追加のMicroSD Expressカードを購入せざるを得ません。しかし、AIデータセンター需要の影響でNANDフラッシュ価格も上昇傾向にあり、拡張ストレージが安価になる見通しは立っていません。
いわば「ストレージは自己負担」という構図が、トータルコストを押し上げています。
今後はオンライン料金改定も視野か
現時点で、任天堂が本体価格を正式に引き上げるとの発表はありません。ただし、より目立たない形で収益改善を図る可能性はあります。
たとえば、「Nintendo Switch Online」の料金改定です。ソニーが「PlayStation Plus」の価格を引き上げた例にならい、サブスクリプションサービスの値上げで調整するシナリオも考えられます。
部品価格の高騰という外部要因が続く限り、「Switch 2」を取り巻く価格環境は決して安定しているとは言えません。今後、任天堂がどのような戦略でコスト上昇に対応していくのか、引き続き注視する必要がありそうです。

