
Appleが開発を進めているとされる初の折りたたみiPhone「iPhone Fold」の登場時期が、当初の2026年から2027年に延期される可能性が浮上しました。日本のみずほ証券の調査レポートを韓国メディア「The Elec」が引用して報じています。
ヒンジ構造とディスプレイ設計の遅れが要因か
みずほ証券の分析によると、Appleは現在もヒンジ(折りたたみ機構)およびディスプレイ構造の最終設計段階にあり、量産体制に入るのは2026年第3四半期以降になる見通しです。そのため、iPhone 18シリーズ(2026年9月発売予定)と同時期の登場は難しいと判断された模様です。
さらに、折りたたみiPhone向けのパネル生産見通しも下方修正されており、当初の1,300万枚→1,100万枚→900万枚へと引き下げられました。仮に2026年中に量産を開始しても、初期出荷台数は500万〜700万台程度に留まる可能性があるとしています。
ディスプレイ仕様:7.58インチ内側+5.38インチ外側
同レポートによれば、「iPhone Fold」は7.58インチの内側ディスプレイと5.38インチの外側ディスプレイを搭載予定。ディスプレイには、偏光板を不要にするCoE(Colour filter on Encapsulation)構造や、LTPO(低温多結晶酸化物)TFTによる省電力化技術が採用されるとのことです。
また、デザイン面ではパンチホール型ディスプレイを採用する見込みで、供給元はSamsung Displayになるとされています。ちなみにSamsungは今年、折りたたみモデル「Galaxy Z Fold 7」を韓国で発売しており、価格は約1700ドル(約25万円)でした。
ヒンジコストは低下傾向に
著名アナリストのミンチー・クオ氏によれば、iPhone Foldのヒンジ単価は1台あたり70〜80ドル程度まで下がる見込みで、これは従来の推定コストより20〜35%低い水準です。Foxconn(鴻海)による設計最適化と製造効率の向上が背景にあるとみられます。
iPhone 18シリーズと「18e」の登場時期
みずほ証券はまた、Appleが2026年以降、春と秋の年2回体制でiPhoneを発表する可能性があるとも指摘しています。
2026年9月には「iPhone 18 Pro/Pro Max/Air/Fold」が登場し、翌2027年春にはiPhone 18および廉価版のiPhone 18eがリリースされる見込みです。
なお、2026年のiPhone出荷台数は2億2900万台と、前年の2億4600万台からやや減少するものの、2027年には2億5200万台まで回復し、2015年の過去最高記録を上回る可能性も示唆されています。
折りたたみMacBookはさらに先の話に
レポートでは、18.9インチの折りたたみ型MacBookも開発中とされますが、こちらの登場は2028〜2029年以降になる見通しです。Appleはまず「iPhone Fold」で市場の反応を見極め、その結果を踏まえてMacBookシリーズへの展開を判断する方針のようです。