
ゲーミングスマホで存在感を放つBlack Sharkが、久しぶりにタブレット市場へ舞い戻るようです。しかも今回は、同社にとって初となるQualcomm製チップセットを採用した意欲作になる見込みで、流出した実機画像やパーツ情報からは従来モデルとは一線を画す“パフォーマンス特化”の姿が浮かび上がっています。
初のSnapdragon採用へ ― “格安タブレット”路線からの転換
これまでBlack Sharkのタブレットといえば、MediaTekやUnisocのSoCを採用した比較的ライト層向けのモデルが中心でした。ゲーム用としながらも、性能面では物足りなさを感じるユーザーも少なくありませんでした。

しかし今回のリークでは、基板に「QUALCOMM SM8635P」と刻まれていることが確認され、Snapdragon 8s Gen 3を搭載することがほぼ確実に。スマートフォンで築いてきた“ハイパフォーマンス”路線を、ついにタブレットでも展開する形です。
Snapdragon 8s Gen 3と12GB RAMの組み合わせは、原神やPUBG Mobile、Warzone Mobileといった重量級ゲームでも設定を落とす必要がないレベル。Black Sharkのタブレットが“価格重視の変わり種”ではなく、“本物のゲーミング端末”へと進化したことを象徴する仕様といえます。
個性的な「Mechaデザイン」で存在感を強調

背面パネルの画像を見ると、Black Sharkらしいメカニカルな意匠が健在です。金属板のような無機質なタブレットが多い中、このモデルはグレー基調の幾何学ラインやグリル風パターンが配され、SF的な雰囲気が際立っています。
中央の“S”ロゴ、右下の「BLACK SHARK」ロゴ、赤くアクセントをつけた電源ボタン、横持ちに最適化されたボタン配置、短辺に並ぶスピーカーなど、細かな部分に至るまで「ゲーム専用機」としてのキャラクターがしっかり表現されています。

また、背面カメラは上部左側に配置され、LEDフラッシュと一体化したやや張り出しのあるユニット構造。デザイン面での主張も抜かりありません。
バッテリー容量は7300mAh、しかし充電仕様は意外にも20W
電池ラベルからは7300mAhという容量が判明しています。10〜11インチ級のタブレットとしては標準的ですが、SoCの効率性を考えると、ゲームプレイや動画視聴を長時間こなせるバランスの取れた仕様といえそうです。

一方で驚かされたのは付属とみられるACアダプターの出力。Black Sharkといえば120W級の超急速充電が代名詞のブランドですが、流出したアダプターは最大20W(5V/3A、9V/2.22A、12V/1.67A)。
これはコスト面を重視したか、あるいはバッテリー寿命を優先した設計である可能性があります。ただ、7300mAhを20Wで充電するとなると、それなりの時間が必要になるのは事実です。
12GB+256GB、microSD対応、横持ちフロントカメラなど“実用性”も重視
メモリは12GB、ストレージは256GBと、ゲームに必要な要件を十分に満たした構成。さらにmicroSDカードスロットを搭載しているため、大容量のゲームデータを扱うユーザーにとっても安心です。

前面のベゼルは均整の取れた太さで、フロントカメラは横向きの中央に設置。映像視聴やゲームが中心になる使い方を意識した設計が見て取れます。
本格ゲーミングタブレット市場に新風を起こす可能性
Snapdragon搭載の初タブレットというだけでなく、Black Sharkらしさを随所に盛り込んだ今回の新モデルは、同社の新たな方向性を示す象徴的な製品といえます。20Wという控えめな充電仕様が唯一の懸念材料ではあるものの、価格次第ではAndroidタブレット市場の勢力図を揺るがす可能性すらあります。
流出した画像の内容から、製品はすでに量産段階へ入っているとみられ、発表もそう遠くなさそうです。ゲーミングタブレットの新たな選択肢として注目を集めることは間違いありません。
