
ソニーの最新ミッドレンジモデル「Xperia 10 VII」は、国内でも10月の発売が見込まれています。今回、海外メディアGSMArenaが公開したレビューから、ベンチマーク性能や高負荷時の安定性について興味深いデータが明らかになりました。
ベンチマークの伸び幅はわずか

Xperia 10 VIIのGeekbenchシングルコアアスコア

Xperia 10 VIIにはSnapdragon 6s Gen 3が採用されていますが、これは前モデルXperia 10 VIのSnapdragon 6 Gen 1をクロックアップしたバージョンにあたります。そのため、GeekbenchやAntutuといった主要ベンチマークでのスコアは、いずれも前機種比で1割未満の伸びにとどまりました。処理性能の大幅な進化は期待しにくいようです。

高負荷時の安定性は前モデルに劣る

さらに注目されるのは、長時間にわたり高負荷を与え続ける「ストレステスト」の結果です。Xperia 10 VIは性能をほぼ維持できたのに対し、Xperia 10 VIIは最大で80%程度までパフォーマンスが低下する傾向が見られました。
もっとも、Snapdragon 8シリーズ搭載のハイエンド機では60%前後まで性能が落ち込むことも珍しくないため、それと比較すればまだ安定しているとも言えます。
バッテリー持ちも課題に
ただし、以前お伝えしたように、Xperia 10 VIIは歴代10シリーズの中でもバッテリー駆動時間が短いという指摘もあります。性能面での伸びが限定的なうえ、安定性や電池持ちに不安が残る点を考慮すると、あえて前モデルを選ぶという判断も現実的かもしれません。
Xperia 10 VIIは確かに進化を遂げていますが、必ずしも「全方位で優秀」とは言い切れない結果が浮かび上がってきました。実際の使用シーンにおいて、どの点を重視するかが購入判断の分かれ目になりそうです。