Apple製チップが存在感を拡大 A19とA19 Pro出荷増で競合のシェアを侵食

2025年第3四半期のスマートフォン向けチップセット市場において、アップルが着実に存在感を高めていることが明らかになりました。最新の調査によると、A19およびA19 Proの出荷増加が、MediaTekやQualcommといった競合メーカーの市場シェアに影響を与えています。

MediaTekが首位を維持もシェアは縮小

市場調査会社Counterpoint Researchのデータによれば、2025年第3四半期の世界市場で最も高いシェアを維持したのはMediaTekで、シェアは34%でした。ただし、前年同期の37%からは減少しており、エントリーからミドルクラス向けチップの出荷減が影響したとみられています。

注目のDimensity 9500が市場を牽引したわけではなく、プレミアム帯の勢いがやや弱かった点もシェア低下の一因とされています。

Qualcommもプレミアム戦略に苦戦

Qualcommもまたシェアを落とし、2025年第3四半期は24%にとどまりました。Snapdragon 8 EliteシリーズはAndroidのフラッグシップ機に多く採用されているものの、市場全体を押し上げるほどの勢いには至らなかったようです。

AppleはA19シリーズで着実にシェア拡大

一方のアップルは、A19とA19 Proの出荷が好調で、市場シェアは18%に到達しました。iPhone 17シリーズの販売が好調だったことを背景に、わずか2か月でチップの発注数が約500万台増加したとも伝えられています。

アップルは、無印モデルにA19、上位モデルにA19 Proを割り当てるデュアルチップ戦略を巧みに活用しています。ベースモデルでも高性能チップとProMotionディスプレイなどを組み合わせることで、出荷台数の拡大につなげた点が特徴です。

UNISOCとSamsungの立ち位置

ランキングでは、UNISOCが14%で4位、Samsungは6%で5位となっています。いずれも特定地域や価格帯で強みを持つものの、アップルやMediaTekと比べると影響力は限定的です。

次世代チップと2026年の行方

今後については、部材コストの上昇が懸念されています。DRAM不足により、スマートフォン1台あたりの部品コストが最大で25%上昇する可能性が指摘されており、各社の戦略に影響を与えそうです。

MediaTekは2026年にTSMCの2nmプロセスを採用したDimensity 9600を投入すると噂されていますが、コスト増への対応として、アップルやQualcommのようなデュアルチップ戦略に踏み切る可能性もあります。一方、アップルは来年にもA20とA20 Proを投入すると見られており、チップ市場での影響力をさらに強める展開が予想されます。

スマートフォン向けチップ市場は依然として競争が激しく、2026年に向けて勢力図がどのように変化するのか注目されます。

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