
Pixel 10シリーズは登場以来、搭載するTensor G5のGPU性能について不満の声が少なくありませんでした。処理能力そのものよりも、GPUドライバーが古く、本来の性能を引き出せていない点が問題視されてきましたが、その状況がようやく動き始めています。
Android 16 QPR3でGPUドライバーが更新
Googleが配信を開始したAndroid 16 QPR3 Beta 1において、Pixel 10シリーズのGPUドライバーが更新されていることが確認されました。公式発表では触れられていませんが、Reddit上のユーザー報告により、PowerVR GPU向けの新しいドライバーが適用されていることが判明しています。
採用されたのは2025年8月公開の最新版
今回Pixel 10に導入されたのは、Imagination Technologiesが2025年8月に公開したGPUドライバーのバージョン25.1です。このドライバーはAndroid 16への正式対応に加え、Vulkan 1.4や拡張されたOpenCL機能をサポートしており、同社は性能と電力効率の両面で改善があるとしています。
ゲーム性能の改善に期待
従来のGPUドライバーでは、グラフィック負荷の高いゲームがスムーズに動作しないケースも報告されていました。今回の更新により、そうした問題の解消や、描画性能と効率の底上げが期待されます。劇的な変化とまではいかないものの、これまでのTensorシリーズでもドライバー更新によって着実な改善が見られてきたことから、一定の効果は見込めそうです。
安定版は2026年3月予定
Googleは2025年10月の時点で、Pixel 10のGPUドライバーを更新する方針を明らかにしていました。当初はAndroid 16 QPR2での対応が期待されていましたが、実際にはCPU負荷を抑えるガーベジコレクターの改善にとどまり、GPU周りは手つかずの状態でした。
今回のQPR3 Beta 1でようやくGPU性能のボトルネックに手が入った形ですが、安定版の配信は2026年3月が予定されています。いち早く試したい場合は、Androidベータプログラムに参加することで、現時点でも新しいGPUドライバーを体験できます。
今後はユーザーからの使用感やベンチマーク結果が集まり、Pixel 10のGPU性能がどこまで改善されるのかが明らかになっていきそうです。

