
Qualcommの次世代フラッグシップSoC「Snapdragon 8 Elite 2」について、当初はTSMC製造版のみと見られていましたが、新たなリークによって、サムスンファウンドリーが製造する別バージョンの存在が再浮上しています。中国の著名リーカー Digital Chat Station氏がWeibo上で伝えたところによると、「SM8850s」とされる型番のこのバージョンは、現在も開発が継続中とのことです。
高コストなTSMC版を回避? OEMが注目する“代替チップ”

Snapdragon 8 Elite 2は、TSMCの最新プロセス「N3P」によって製造されており、その高性能ぶりと引き換えに製造コストも非常に高額だとされています。これに対し、Samsung Foundryの「SF2(2nm)」プロセスによる製造版はコスト面で有利とされており、特に価格重視の製品開発を行うスマートフォンメーカーにとっては魅力的な選択肢となっています。
実際に、いくつかのOEMがTSMC製ではなく、サムスン製のSnapdragon 8 Elite 2を採用する可能性があるとDCS氏は述べています。
リリース時期に差? サムスンの量産体制に課題も
ただし、両者が同時に市場投入されるとは限らないようです。TSMC版が9月末にも登場すると見られている一方で、Samsung製造版はまだ歩留まり(良品率)の安定化作業が続いており、発売が遅れる可能性があります。
このサムスン版は、当初「Galaxy専用モデル(For Galaxy)」として折りたたみ端末「Galaxy Z Fold 8」や「Z Flip 8」向けに限定されると予想されていましたが、今回の情報により他メーカーの端末にも幅広く搭載される可能性が浮上してきました。
性能差は? 実機ベンチマークでないと判断不可
現時点では、TSMC版とサムスン版のSnapdragon 8 Elite 2はスペックシート上では同一になると見られており、見た目では判別がつきません。しかし、歴史的に見て、サムスンファウンドリー製のチップはパフォーマンスや電力効率の面でTSMCに劣る傾向があるため、その差異はベンチマークテストを通じて初めて明らかになると考えられます。