
ソニーの最新フラッグシップスマートフォン「Xperia 1 VII」が、電源が入らなくなる「文鎮化」不具合により、大規模な交換対応に追い込まれたことが大きな話題となっています。そんな中、このXperia 1 VIIの生産を担当していた中国のODM企業「華勤技術(Huaqin Technology)」が、過去にソニーから高く評価されていた事実が明らかになりました。
2022年に「卓越品質賞」を受賞

華勤技術は、2022年度にソニーが開催した品質会議において、モバイル通信事業部の品質担当副社長・山岡正人氏より「卓越品質大奖(Excellence Quality Award)」を授与されています。
この賞は、華勤が製造を担当したXperia ACE IIIやXperia 10 IVなどの機種において、市場での高い評価、ユーザー満足度、アフターサービス対応の良好さなどが総合的に優れていたことが理由とされています。
ソニーとの協業は2017年から
華勤技術とソニーの協業は2017年に始まりました。それ以降6年にわたり、華勤は「謙虚な姿勢」と「顧客志向」を掲げながら、企画段階から製品出荷後のトラブル対応に至るまで、スピーディかつ高効率な対応力を強みとして信頼関係を築いてきたとされています。こうした姿勢が評価され、スマートフォンに限らず多様な製品カテゴリでの協業が進み、販売地域も欧州から日本、東南アジアなどへと広がっていきました。
信頼されていた製造委託先での不具合
今回、不具合が発生したXperia 1 VIIは、まさにその華勤技術が製造を担っていたモデルです。これまでソニーから高品質な製造パートナーとして表彰されてきた企業であっただけに、今回の文鎮化問題はソニーにとっても、また華勤にとっても大きな信頼の揺らぎとなりかねません。
今後の協業に影響は?
ソニーと華勤は、「高品質」という協業の基盤を今後も強化していくとしていますが、今回のXperia 1 VIIの件が今後の両社の関係にどのような影響を与えるか、注目が集まります。特に、グローバル市場において信頼性はブランドの根幹をなすだけに、再発防止策の徹底が求められる状況です。