
Snapdragon独占の背景にあるExynosの苦戦
Samsungが次期フラッグシップ「Galaxy S25」においてSnapdragon 8 Eliteを全モデルに採用する方針を取ったことで、同社が自社開発SoC「Exynos 2500」に苦戦しているという見方が強まっていました。そして今回、その予想を裏付けるようなGeekbench 6のベンチマークスコアが流出し、業界関係者の間で大きな注目を集めています。
Geekbenchのスコアで明らかになった性能の限界
リーカーのAbhishek Yadav氏が共有した情報によると、Exynos 2500は10コア構成(1+2+5+2)のCPUを搭載し、最大クロックは3.30GHzに達します。高いコア数を活かしてマルチスレッド性能を稼ぐ戦略と思われますが、結果としてシングルコア:2,012点/マルチコア:7,563点というスコアに留まりました。

このスコアは、Snapdragon 8 Eliteはもちろん、Apple A19/A19 Pro、MediaTek Dimensity 9400、さらにXiaomiの最新SoC「XRING 01」にも及ばない結果となっており、Exynosシリーズの存在感低下を印象づける形になっています。
わずかに上回ったのはGoogle Tensor G4のみ
現時点でExynos 2500が性能で上回ったとされるのはGoogleのTensor G4のみ。これはある意味、Samsungにとっては唯一の「救い」かもしれませんが、フラッグシップSoCとしては心許ない比較対象と言わざるを得ません。
なお、ベンチマークが測定されたデバイスには12GBのRAMと、AMDと共同開発したXclipse 950 GPUが搭載されていたとのことです。
Galaxy Z Flip 7には採用へ、Z Fold 7はSnapdragon継続
Samsungはすでに、次期フォルダブル端末であるGalaxy Z Flip 7にExynos 2500を搭載する方針とされており、コスト削減の一環と見られています。一方で、より高価格帯のGalaxy Z Fold 7には引き続きSnapdragon 8 Eliteが採用される見込みで、性能差を意識したラインナップ分けが行われるようです。
次世代のExynos 2600に希望を託すも…
今回の結果を受けて、業界ではすでにExynos 2600への期待と不安が交錯しています。量産性に関しては、Samsungの3nm GAAプロセスに比べて改善が見られるとの報道もありますが、肝心のパフォーマンス面では未知数です。
今後数世代のリリースを経て、SamsungがSoC開発体制を立て直せるかが注目されますが、少なくとも現時点ではExynos 2500は「期待外れ」と言わざるを得ない内容となっています。モバイル半導体市場での復権には、まだ時間がかかりそうです。