
2025年5月に正式発表されたソニーの最新フラッグシップスマートフォン「Xperia 1 VII」。発売直後からさまざまなレビューサイトが同機種の評価を公開していますが、中でも注目を集めているのが“バッテリー持ち”に関する内容です。
先日ご紹介した海外メディアGSMArenaによる検証では、「Xperia 1 VIIは前モデルの1 VIと比べて約2割バッテリー持ちが悪化している」とされていました(参考:過去記事)。ところが、今回新たに公開された別メディアPhoneArenaのテスト結果では、これとはまったく異なる評価が示されています。
PhoneArenaの実測テストでは「前モデルとほぼ同等」
PhoneArenaが実施した複数項目にわたるバッテリーテストによると、Xperia 1 VIIのバッテリー持ちは総合的に「Xperia 1 VIとほぼ同等、もしくは一部で上回る」結果となっています。
以下は主要項目ごとの比較です(いずれもバッテリー容量は5,000mAh):
テスト項目 | Xperia 1 VII | Xperia 1 VI |
---|---|---|
総合スクリーンオンタイム | 7時間25分 | 7時間18分 |
Webブラウジング | 20時間37分 | 18時間54分 |
YouTube動画再生 | 7時間19分 | 7時間46分 |
3Dゲーム | 13時間35分 | 14時間3分 |
Webブラウジングでは1 VIを1時間半近く上回る好結果。一方で動画再生では若干劣る結果となりましたが、ゲーム時の持ち時間はほぼ横並びです。
全体として、PhoneArenaは「Xperia 1 VIIはGoogle Pixel 9 Pro XLを上回るが、Galaxy S25 Ultraにはわずかに及ばない」と評価しています。特筆すべきは、テスト対象端末の中でXperia 1 VIIは直近2年間で45位にランクインしており、平均以上の水準であるという点です。
「バッテリー持ち劣化」報道との食い違いはなぜ?
冒頭でも触れた通り、GSMArenaでは1 VIから2割程度バッテリー持ちが悪化しているとの評価が出されていました。これは同サイトで独自に計測した「バッテリーエンデュランススコア」に基づくものと思われますが、PhoneArenaのように複数の使用パターン(Web、動画、ゲーム)で詳細に時間を測定した結果では、1 VIIのバッテリー性能は決して劣っていないことがわかります。
この違いは、計測条件や負荷のかけ方、OSやファームウェアのバージョンの違いなど、さまざまな要因による可能性があります。
Snapdragon 8 Gen 3 “Elite”搭載の効果?
Xperia 1 VIIには、最新のSnapdragon 8 Gen 3 “Elite”が搭載されています。このチップセットは消費電力あたりの性能効率が高く、前世代に比べて省エネ性が向上していることが特徴です。
PhoneArenaもこの点に触れており、「バッテリー容量に変化はないが、新チップによって稼働時間の最適化が進んでいる可能性がある」と指摘しています。
Xperia 1 VIIのバッテリー性能については、レビューサイトによって評価が分かれる結果となっています。しかし、PhoneArenaのテストを見る限りでは、「前モデルよりバッテリー持ちが悪化した」と断定するには早計と言えるかもしれません。特にブラウジングのような日常的な用途ではむしろ改善が見られる点はポジティブな要素です。
今後は国内外でのさらなる実機レビューや、アップデート後の挙動にも注目していきたいところです。