
クアルコムが開催予定の「Snapdragon Summit 2025」で、次世代フラッグシップSoCとなるSnapdragon 8 Gen 5が発表される可能性が浮上しています。すでに登場が有力視されている「Snapdragon 8 Elite 2」と同時にお披露目される見通しで、ハイエンド市場に大きな動きをもたらしそうです。
Snapdragon 8 Gen 5は“真のフラッグシップ”に位置づけ
中国の有名リーカーDigital Chat Station氏によると、Snapdragon 8 Gen 5(型番:SM8845)は、従来の「Snapdragon 8s」シリーズの延長線上ではなく、8シリーズの中でも正統派フラッグシップに据えられるとのことです。
製造プロセスはTSMCのN3Pを採用し、クアルコム独自の「Oryon CPUアーキテクチャ」を搭載。さらに、AI処理を高速化するためのSME(Scalable Matrix Extension)命令セットに対応するなど、次世代のモバイルAI体験を見据えた設計になっていると伝えられています。
主要メーカーも採用を予定
この新チップはすでに複数の大手スマートフォンメーカーが採用を決定しているとされ、次期フラッグシップ機の多くに搭載される見込みです。現時点で確認されているラインアップは、SM8850(Snapdragon 8 Elite 2)、SM8850s(後日登場予定の上位版とみられる)、そしてSM8845(Snapdragon 8 Gen 5)の3モデルで、従来の「SM8835」に相当する製品は存在しないとのことです。
初搭載モデルは「Redmi K90」か
噂では、Xiaomi傘下のRedmi K90がSnapdragon 8 Gen 5を初搭載するスマートフォンになる可能性が高いといわれています。また、Honor GT 2やRealme Neo 8といった中国メーカーの新機種も候補に挙がっており、発表後は一気に採用モデルが広がると予想されます。
なお、Snapdragon 8 Gen 5は「2+6」のCPU構成を採用し、一部の機能はSnapdragon 8 Elite 2と共通化される見通しですが、昨年の「Snapdragon 8 Elite」に比べると若干控えめな性能にとどまる可能性もあるようです。
今後の展望
Snapdragon 8 Elite 2が“究極性能”を追求したチップだとすれば、Snapdragon 8 Gen 5はAIや電力効率を重視した実用的なフラッグシップチップとしての位置づけになりそうです。モバイル市場における次世代の競争軸がどのように変化するのか、11月に開催されるとみられるSnapdragon Summitでの発表に注目が集まります。