
MediaTekが、フラッグシップ向けチップセット「Dimensity 9400」シリーズの新モデルをまもなく発表する見込みです。正式な製品名はまだ明かされていないものの、これまでのリーク情報やティーザーのタイミングから、「Dimensity 9400e」となる可能性が高いと見られています。
Dimensity 9400eとは?──「強化版」チップとして登場へ
今回登場が予想されているDimensity 9400eは、先日発表されたDimensity 9300+をベースに、さらなる性能向上を図ったモデルと位置付けられています。名称に付与された「e」は「enhanced(強化版)」を意味するとみられ、CPUの動作周波数やGPUパフォーマンス、さらには放熱効率の改善が図られている模様です。
ベンチマーク結果も好調
すでに一部のベンチマークテスト結果も報告されており、AnTuTuでは210万点超え、GPUテスト「Aztec 1440p」では95fpsを記録。これにより、Qualcommの最新ミッドハイ向けチップ「Snapdragon 8s Gen 4」をCPU・GPU両面で凌駕することを目指していることがうかがえます。
最初の搭載機種はOnePlusから
Dimensity 9400eを搭載する最初のスマートフォンとして、OnePlus Ace 5 Racing Editionや、そのグローバル版と噂されるNord 5が挙げられています。これらの機種は、次世代のゲームパフォーマンスを重視しつつも、価格はプレミアムモデルほど高くならないことを目指して開発されているようです。
競合としては、Snapdragon 8s Gen 4を搭載するiQOO Z10 Turbo ProやRedmi Turbo 4 Proなどがあり、ミッドハイ〜ハイエンド市場で激しい競争が予想されます。
MediaTekの狙い
Dimensity 9400eは、あくまでフルスペックのDimensity 9400とは一線を画す「セミフラッグシップ」として位置づけられる見込みです。ハイエンドとミッドレンジの中間を狙うことで、コストパフォーマンス重視の市場で存在感を高める狙いがあると考えられます。
今年中盤の新製品ラッシュに向けて、MediaTekは9400eを武器に競争力を一段と高めようとしているようです。正式発表は来週にも行われる予定であり、続報に注目が集まります。