
中価格帯を狙う新SoC、独自GPUやISPを搭載予定
長らく表立った動きがなかったシャオミの自社製チップ戦略が、いよいよ再始動するかもしれません。関係者による最新のリーク情報から、同社が現在開発中とされるスマートフォン向けSoC(System on Chip)の詳細なスペックが明らかになりました。
最先端ではなく“実用主義”の選択
過去には3nmプロセスの採用が噂されていたものの、今回明らかになった情報によると、シャオミはTSMCの4nmプロセス「N4P」を採用する模様です。これは最新世代よりもやや古い製造技術ではありますが、安定性とコスト効率を重視した選択と見られています。

今回のチップは、Armの最新アーキテクチャ「Arm v9」に基づく構成。CPUは「1+3+4」の8コア構成で、以下のように組み合わされています:
- Cortex-X925(3.2GHz)×1
- Cortex-A725(2.6GHz)×3
- Cortex-A520(2.0GHz)×4
この構成からも、ハイエンドというよりは、上位ミドルレンジクラスのデバイス向けに最適化されていると考えられます。噂されている「Xiaomi 15S」に初搭載される可能性もあるとのことです。
GPUは独自路線、Snapdragon超えも?
グラフィックス性能にも注目が集まっています。今回のSoCには、Imagination Technologies製の「IMG DXT72」GPUが採用されており、1.3GHzで動作する見込みです。驚くべきはその性能で、初期評価ではSnapdragon 8 Gen 2のAdreno 740を上回る可能性もあると報じられています。
これは、ゲームやグラフィック処理において、ミドルクラスながらも一歩抜きん出た体験が期待できることを意味しています。
ISPは自社開発、5Gは外部依存か
今回のチップでは、画像処理を司るISP(イメージシグナルプロセッサ)についてはシャオミが独自に開発しているとされています。一方、5GモデムやDSPなどの一部コンポーネントについては、MediaTekやSynopsys、場合によってはHuaweiから調達する可能性もあるとのこと。地政学的な影響や調達状況によって柔軟に対応していく方針と見られています。
サプライチェーンの主導権を握る狙い
シャオミが自社製SoCに再び本腰を入れる背景には、QualcommやMediaTekといった外部チップメーカーへの依存度を下げ、自社での制御力を高めたいという意図があります。ハードウェアとソフトウェアの統合を強化することで、パフォーマンス最適化やコスト削減、サプライチェーンの安定化を図る狙いがあると見られます。
ただし、アメリカによる対中輸出規制などの影響で、高度な製造プロセスへのアクセスが制限される可能性もあり、今後の展開には慎重な見極めが必要です。
シャオミの新たな自社製SoCが本格的に市場に登場すれば、中国メーカーによる“脱Qualcomm・脱MediaTek”の流れがさらに加速することも予想されます。現時点ではまだ噂の域を出ませんが、実際の発表が近づけば、スマートフォン業界における勢力図にも少なからぬ影響を与えることになりそうです。今後の続報に注目が集まります。