
Google マップの「タイムライン」機能(旧・ロケーション履歴)は、ユーザーの移動履歴を記録し、過去の特定の日付や時間にどこにいたかを振り返ることができる便利なツールです。しかし、プライバシーの観点からは賛否が分かれる機能でもあります。
そんなタイムラインに関して、Googleが大規模な仕様変更を進めている中で、一部のユーザーのデータを誤って削除するというトラブルが発生しました。この削除されたデータは、特定の条件を満たしていない限り、完全に復元不可能な状態になっていることが明らかになっています。
タイムラインの仕様変更で何が変わるのか?
Googleは現在、タイムライン機能の大幅な変更を進めており、その移行プロセスは2023年12月から段階的に実施されています。この新しい仕様では、ユーザーがオプトイン(同意)した場合に限り、タイムラインのデータが各デバイス上のみに保存される仕組みに変更されます。これにより、Googleのサーバー上にはデータが残らなくなり、プライバシー保護の観点では大きな前進といえるでしょう。
しかし、この移行の過程で、一部のユーザーの過去のタイムラインデータが誤って削除されるという重大なミスが発生しました。
消えたデータは復元不可能
Googleによると、今回のデータ削除はユーザーの操作ミスや意図的な変更ではなく、「技術的な問題」によるものだと説明されています。ただし、この問題によって削除されたデータは、事前に暗号化されたクラウドバックアップを設定していた場合を除き、完全に復元不可能となっています。

このバックアップ機能にオプトインしていたユーザーはごく少数にとどまるとみられ、多くのユーザーにとっては、タイムラインの記録が永遠に失われてしまった可能性が高いのです。
Googleは影響を受けたユーザーを把握済み
Googleは今回の問題に関して、影響を受けたユーザーを特定できていると述べており、該当するユーザーにはすでにメールで通知を送っているとのこと。もしGoogleからの通知を受け取っていなければ、データは無事であると考えられます。
今回の誤削除は、プライバシー保護を重視した仕様変更の過程で起こったとはいえ、ユーザーの大切なデータが事前の告知なしに失われる形となったことは大きな問題です。今後、Googleがどのように対応し、ユーザーの信頼を回復するのかが注目されます。