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中国発のAIアプリ「DeepSeek」が韓国での利用禁止措置を受けることが決まりました。韓国のデータ保護当局は、同アプリが現地の個人情報保護法に違反していると判断し、AppleやGoogleに対し、アプリストアからの削除を命じました。
アプリストアからの削除命令、Web版は利用可能
ロイター通信の報道によると、韓国の規制当局はAppleやGoogleを含むテクノロジー企業に対し、DeepSeekのダウンロードをブロックするよう要請しました。ただし、現在のところWebブラウザ経由では利用可能とされています。
DeepSeek側もこの問題を認識しており、韓国内に法的代理人を設置。一部の点で現地のデータ保護法を考慮しきれていなかったことを認めているようです。一方、中国外務省の報道官は「中国政府はデータプライバシーとセキュリティを重要視し、法に基づいて保護している」とコメントしています。
規制当局によれば、韓国のデータ保護法に適合する修正を行えば、DeepSeekは再び韓国市場での提供が可能になるとのこと。
DeepSeekとは? なぜ注目されているのか
DeepSeekは、中国発のAIスタートアップで、独自のAIモデル「R1」を発表したことで注目を集めました。「R1」は、他のAIモデルと同等の性能を発揮しながらも、はるかに少ないハードウェアリソースで動作可能という特長を持っています。この技術革新が評価され、先月にはAppleのティム・クックCEOも同社を称賛しました。
しかし、その急成長とは裏腹に、DeepSeekの中国発であることが各国で議論を呼んでいます。イタリアはプライバシー上の懸念からDeepSeekを禁止した最初の国であり、米国では中国製AIの利用者に罰則を科す法案が提案されています。
世界で拡大する規制の動きとDeepSeekの人気
それでも、DeepSeekの人気は依然として衰えていません。先月には米国のApp Storeランキングでトップを獲得し、OpenAIのChatGPTを超えるダウンロード数を記録。現在もランキング13位に位置するなど、多くのユーザーを獲得しています。
韓国での規制は、世界各国で進む中国製AIアプリへの懸念と規制強化の流れの一環といえるでしょう。今後、DeepSeekがどのように対応し、各国の法規制をクリアしていくのか注目が集まります。