SD695戦国時代 どれを買えばいいの?スペック&用途別のおすすめ機種

クアルコムの最新ミッドレンジ向けチップセット、Snapdragon 695 5G

国内ではここ数週間で一気に搭載モデルが増え、現時点で以下の6モデルが発売済み、あるいは発売予定となっています。

発売済み・発売予定のSD695搭載機種

  • Xperia 10 IV(7月発売予定)
  • AQUOS sense6s (auから発売済み)
  • Redmi Note 11 Pro 5G (SIMフリー、MVNO、楽天モバイルから発売済み)
  • Oppo Reno7 A (6月23日にau、SIMフリー、MVNOから発売予定)
  • Moto G52J 5G (SIMフリー、MVNOから発売済み)
  • AQUOS wish2 (ドコモとソフトバンクより6月23日に発売予定)

過去にもSnapdragon 600番台のチップセットを搭載したミッドレンジがいつの間にか大量展開されていた、ということはありますが、ここまで短期間に一気に機種が増えた例はかなり稀なような気もします。(しかもまだ増えそうな雰囲気・・・)

おすすめ機種は何を重視するか?による

一方で、ガジェット好きで新機種情報をくまなくフォローしている、という方ならばともかく、一般的なユーザーさんにとってはせいぜい「なんだかSnapdragon 695とかいうミッドレンジ向けチップセットを搭載した機種が大量にリリースされるみたい」といった感じの認識ではないでしょうか。

また、多くの方は各モデルの細かなスペックまでが頭に入っているわけではなく、なんとなくSnapdragon 695搭載のミッドレンジモデルを購入予定も「結局どれがいいの?」と迷ってしまう方も少なくないと思います。

一方、デザインからスペック、必要な機能、予算まで、ユーザーが求めること、重要視することは千差万別で、一概に「この機種が良い!」とは言えない部分もあります。

というわけで、今回はこのSD695搭載6モデルを比較し、総評として「これが良い」と断定するのではなく、目的・用途別にそれぞれの良さを見ていきたいと思います。

コンパクトモデルならば唯一の5インチ台画面のAQUOS wish2

AQUOS wish2のディスプレイサイズは5.7インチで、現状では唯一の5インチ台画面を搭載したSD695モデルです。

年々大画面化してきたスマートフォン。
今では6インチくらいでも「小型」と呼ばれるくらいですが、それでも5インチ台の「真のコンパクトモデル」に対する根強い需要があるのも事実。

SD695搭載モデルのディスプレイ・端末サイズ一覧

画面サイズ端末サイズ
Xperia 10 IV6インチ153x67x8.3mm
AQUOS wish25.7インチ147x71x8.9mm
AQUOS sense66.1インチ152x70x7.9mm
Redmi Note 11 Pro 5G6.67インチ164x76x8.12 mm
Oppo Reno7 A6.4インチ160x73x7.6mm
Moto G52J 5G6.8インチ171x77x9.1mm

そういった意味でこのAQUOS wish2は貴重な存在で、何よりも「小ささ重視」という方には手のひらにすっぽり収まるサイズの同モデルがおすすめです。

一方、逆に大画面が良い!という方にはRedmi Note 11 Pro 5GもしくはMoto G5J 5Gのいずれかが選択肢に、という事になると思います。

バッテリー持ち優先ならXperia 10 IV、だと思う

以前、GSMArenaのレビューでXperia 10 IVのバッテリー持ち評価がXperia史上最長との評価を得た、という件についてお伝えしました

これはXperia以外の機種と比較してもトップレベルで、それもそのはず。
同モデルは6インチという比較的小型ディスプレイを搭載にもかかわらず、バッテリー容量は5000mAhと、スクリーンサイズあたりの相対的なバッテリー容量がモンスター級となっています。

もちろん、他のSD695搭載モデル全機種のバッテリー持ちとの比較データがそろっているわけではないので、断定はできません。

ただ、Redmi Note 11 Pro 5Gに関してはGSMArenaにバッテリーテストの結果が掲載されています:

ディスプレイサイズの違いも大きいとは思いますが、同じ5000mAhを搭載しながらもXperia 1 IVのバッテリー持ちはRedmi Note 11 Pro 5Gの約1.5倍、となっています。

一方、測定データなどはありませんが、AQUOS sense6sも1週間のバッテリー持ちを謳っています。

ただ同モデルのバッテリー容量は4,570mAhと10 IVより少なく、ディスプレイサイズは6.1インチと10 IVよりも若干大きめ。
よって、単純にディスプレイサイズと電池持ちの比率だけで考えれば、やはりXperia 10 IVに軍配が上がる可能性が高そうです。

SD695搭載モデルのバッテリー容量一覧

電池容量
Xperia 10 IV5,000mAh
AQUOS wish23,730mAh
AQUOS sense64,570mAh
Redmi Note 11 Pro 5G5,000mAh
Oppo Reno7 A4500mAh
Moto G52J 5G5,000mAh

高速充電ならRedmi Note 11 Pro 5G一択!

最大充電速度
Xperia 10 IV非公表
AQUOS wish2非公表
AQUOS sense6非公表
Redmi Note 11 Pro 5G67W
Oppo Reno7 A18W
Moto G52J 5G15W

XperiaやAQUOSについては最大充電速度が公表されていませんが、おそらくせいぜい15W前後だと思われます。

一方、Redmi Note 11 Pro 5Gは発表時から67Wの高速充電を売りの一つしており、他機種と比べてダントツです。

「軽さ」重視ならXperia 10 IV

気にする人としない人が結構大きく分かれるのが「重さ」。
当然軽いに越したことはないのですが、10グラム程度の重量差でも軽い・重いと感じる人もいれば、あまり気にしない人もいます。

Xperia10 IVはディスプレイが6インチでボディーサイズ自体が比較的小型、というのもありますが、161グラムという重量はかなり軽いと言えます。

AQUOS wish2も162gと1グラムしか違いませんが、同モデルのディスプレイは5.7インチ。
また、バッテリー容量は3,730mAhと10 IVより大幅に少なくなっています。

もちろん、これより軽い機種は他にもありますが、ソニー自身も公式サイト上で記述しているように、既存スマホの中で5000mAh以上のバッテリーを搭載する5G対応スマートフォンとして「世界最軽量」であることは間違いありません。

メモリ・ストレージではAQUOS wish2以外の5モデルが横並び

Redmi Note 11 Pro 5G

チップセットほどではないものの、マルチタスクの際などの端末の動作・レスポンスに大きな影響を与えると言われるのがメモリサイズ。

SD695搭載モデルのメモリ・ストレージ一覧

メモリ
ストレージ
メモリ規格
ストレージ規格
Xperia 10 IV6GB
128GB
不明
AQUOS wish24GB
64GB
LPDDR4X
UFS 2.1
AQUOS sense66GB
128GB
LPDDR4X
UFS 2.2
Redmi Note 11 Pro 5G6GB
128GB
LPDDR4X
UFS 2.2
Oppo Reno7 A6GB
128GB
LPDDR4X
UFS 2.2
Moto G52J 5G6GB
128GB
不明

ご覧のように、SD695搭載6機種のうち、AQUOS wish2のみが4GB/64GBで、あとの5機種は6GB/128GBです。

特にハイエンドモデルの8GBや12GBといった違いと異なり、4GBと6GBの違いはかなり大きいという印象です。

また、ストレージ規格も判明しているものの中で、AQUOS wish2だけがUFS2.1となっていますが、ストレージ規格の違い(しかも0.1世代分)が実使用で体感速度に与える影響、というのは軽微だと思います。

一方、一見無関係思えますが、使い方によって動作に影響を与えるのがストレージ「容量」。
空き容量が十分にある状態では違いはありませんが、経験上、スマートフォンはデータの空き容量が少なくなると動作が重くなる傾向があり、そういった意味で容量の少ないAQUOS wish2はハンディーがあると言えると思います。

また、メモリではグラフィックリソースを使いまくる重量級のゲームはしないまでも、ちょっとした簡単なゲームアプリを快適にプレイしたい、という方は6GB RAM搭載モデルを選ぶことをお勧めします。

ディスプレイの評価は判断困難

Oppo Reno7 Aのディスプレイ

ディスプレイの評価は個々の主観的な好みに左右される部分も大きく、一概に優劣は語れない部分もあります。実際、OLED主流の現在でもLCDが好み、という方もいます。

SD695搭載モデルのディスプレイ仕様一覧

スクリーンタイプ解像度リフレッシュレート
Xperia 10 IVOLEDFHD+60Hz
AQUOS wish2TFTHD+60Hz
AQUOS sense6sIGZO OLEDFHD+60Hz
Redmi Note 11 Pro 5GAMOLEDFHD+120Hz
Oppo Reno7 AAMOLEDFHD+90Hz
Moto G52J 5GLCDFHD+120Hz

こればかりは実機を見てみて自分の好みのディスプレイを確認するしかありませんが、一般的なディスプレイタイプや解像度やリフレッシュレートといった分かりやすいスペックの優劣でいえばRemi Note 11 Pro 5Gに軍配、といったところでしょうか。

LCDでは珍しいMoto G52Jの120Hzリフレッシュレート対応スクリーン

ただ、Moto G52JもLCDとしてはまだめずらしい120Hz対応で、ディスプレイの画質の評価はかなり良いという印象です。

カメラ性能、ハード面ではRedmi Note 11 Pro 5Gが有利?

Oppo Reno7 Aのリアカメラは48MP+8MP+2MPのトリプルカメラ構成

スマートフォンで撮影した写真の画質も個人の好みによるところが大きく、評価が難しいところ。

ただ、このSD695搭載モデルに限って言えば、結構ハード的なスペックの違いが大きいという印象です。

SD695搭載モデルのカメラ仕様一覧

カメラ仕様(リア)
Xperia 10 IVメイン:12MP、27mm、F1.8、光学手振れ補正
超広角:8MP、16mm、F2.2
望遠:8MP、54mm、F2.2
AQUOS wish213MP、F2.0
AQUOS sense6sメイン:48MP、26mm、F1.8
広角:8MP、15mm、F2.4
望遠:8MP、53mm、F2.4
Redmi Note 11 Pro 5Gメイン:108MP、F1.9約1億800 万画素メインカメラ
超広角:8MP、F2.2
マクロ:2MP、F2.4
Oppo Reno7 Aメイン:48MP、F1.7
超広角:8MP、F2.2
マクロ:2MP、F2.4
Moto G52J 5Gメイン:50MP、F1.8
超広角:8MP、F2.2
深度:2MP、F2.4

ハードウェアだけを見ると108MPセンサーを搭載したRedmi Note 11 Pro 5Gが一番「豪華」と言えると思います。

Redmi Note 11 Pro 5G自慢?の108MPカメラセンサー

ただ、Oppo Reno7 Aに搭載のソニー製48MPセンサー、IMX581も少し古めながら評判の良いセンサーの模様です。

一方、前評判がそこそこ良かった50MPセンサー搭載のMoto G52Jに関しては、カメラに関するあまり良い評判は耳にしません。

最近のスマホカメラの画質はソフト、撮影後の画像処理に依存する部分が大きく、その点ではミッドレンジ同士の「ドングリの背比べ」となる可能性が高そう。

ただ、やはり過去の傾向からするとAQUOS sense6sやAQUOS wish2のカメラの性能は他のモデルに比べるとワンランク落ちるのではないかと思われます。

Xperia 10 IVのカメラ進化には期待できそう

なお、過去モデルでは評判がイマイチだったXperia 10シリーズのカメラですが、これまでに出てきているレビューを見ている限り、同モデルのカメラは10シリーズ初の光学式手ブレ補正を搭載するなど、Xperia 10 IIIから結構大きな進化をしているとの評価です。

他のSD695搭載機種と比べてどうか、という評価はできませんが、少なくとも過去のミッドレンジXperiaの中ではかなり性能の良いカメラを搭載しているとみてよさそうです。

防水/防塵機能ではRemi Note 11 Pro 5Gのみが非IP68

IP68レーティングのMoto G52J

日本市場でFelica対応とともに「日本仕様」と呼ばれるのに不可欠なのがIP68の防水・防塵仕様。

この6モデルのうち、Redmi Note 11 Pro 5GのみがIP68ではなくIP53となっています。

防水・防塵性能は結構多くの割合のユーザーにとって重要視されている部分なので、場合によっては同モデル「選ばない」十分な理由になり得そうです。

価格:端末単体ではAQUOS wish2、セット購入では中華勢

なんだかんだ言っても、最終的に一番重要視されるのは価格でしょう。

これら6モデルのうち「定価」が一番安いのはドコモのAQUOS wish2の税込み22,000円。
割引キャンペーンなどを使えば5千円ほどで入手できてしまいます。

ただ、同モデルはメモリやストレージサイズ、カメラ仕様などからして、チップセット以外の性能はエントリーレベル並み、と認識しておいた方が良いでしょう。
よって、一般的な「ミッドレンジ性能」を期待するのであればAQUOS wish2は選択肢から外した方が良いかも。

ただ、この部分に妥協ができてとにかくコンパクトな機種が欲しい、安い機種が欲しい、という方にとっては同モデルは非常にコスパの高いモデルとして良い評価を得られると思います。

一方、Redmi Note 11 Pro、Oppo Reno7 A、Moto G52Jなどの中華勢はMVNOなどによって価格はマチマチですが、定価はいずれも4万円前後。

ただ、どの機種もIIJmioOCNモバイルでキャンペーン中に購入すれば2万円前後の実質価格で購入が可能です。

ちなみに自他ともに美的センスのなさで有名な私が語るのも気が引けるのですが、個人的にデザイン面で引かれるのはOppo Reno7 A。純粋にスリム、シンプルでカッコいいと思います。

ソース:SONYSharpOppoMotorolaXiaomi

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