
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が、今後のPlayStation向けタイトルの展開方針について新たな方向性を示しました。近年はPC向け移植を積極的に進めてきたPlayStation Studiosですが、今後は一部のファーストパーティタイトルについてPS5および将来のPlayStationプラットフォーム独占を重視する可能性が高まっています。
PC展開を進めてきたPlayStation戦略
ここ数年、ソニーは『Marvel’s Spider-Man』シリーズや『God of War』、『The Last of Us Part I』など、これまでPlayStation専用だった人気タイトルをPC向けにも展開してきました。
この戦略は新たな収益源の確保に成功した一方で、「PlayStation独占タイトルの価値が薄れるのではないか」との議論も生んでいました。
そんな中、PlayStation StudiosのトップであるHermen Hulst氏が社内向けに「今後はより多くのPS独占作品を維持する方針」を説明したとの報道が先日話題となりました。
SIE西野秀明CEOが方針に言及
今回、SIEの西野秀明CEOはファミ通のインタビューで独占タイトル戦略について質問を受けています。
同氏は、シングルプレイ向けのファーストパーティタイトルについては、PlayStationでしか体験できない価値をさらに高めていく考えを示しました。一方で、ライブサービス型タイトルについては、できるだけ多くのプレイヤーに遊んでもらうことが重要であり、PS5とPCの両プラットフォームで展開を続ける方針を明言しています。
オンラインゲームとシングルプレイ作品で方針を分離
近年のPlayStationタイトルを見ると、この考え方は比較的理解しやすいものです。
オンライン対戦や協力プレイを前提とするライブサービス型タイトルは、プレイヤー数が多いほど価値が高まります。実際、近年の『Concord』や『Marathon』を巡る状況を考えると、対象プラットフォームを限定するメリットはほとんどありません。
一方で、ストーリー重視のシングルプレイ作品は事情が異なります。ハードウェア購入の動機となる「キラータイトル」として機能するため、PlayStation独占の価値が大きくなります。
将来的なPS6世代を見据えた場合でも、『God of War』シリーズの次回作や新規大型IPなどが独占タイトルとして重要な役割を果たす可能性があります。
PC移植が完全になくなるわけではない
ただし、今回の発言は「すべてのシングルプレイ作品を永久独占にする」という意味ではなさそうです。
西野CEOは「ファーストパーティ開発作品」と明言しており、外部スタジオとの協業タイトルについては別の扱いとなる可能性があります。また、『Death Stranding 2』のようなSIEパブリッシング作品についても、将来的なPC展開の余地は残されているとみられます。
一方で、著名ジャーナリストのJason Schreier氏は、Hermen Hulst氏が社内で「ストーリー主体のシングルプレイ作品はPlayStation専用として展開する方針」を説明したと主張しており、少なくとも現時点ではケースバイケースではなく、比較的明確な方針が存在するとしています。
ソニーが今後この戦略を公式に明文化するかは不透明ですが、PlayStationブランドの価値向上を重視する流れが強まっていることは確かなようです。そのため、『Ghost of Yotei』や『Marvel’s Wolverine』のPC版を期待しているユーザーにとっては、従来よりも移植までの期間が長くなる、あるいは発売されない可能性も意識する必要があるかもしれません。
