
CES 2026では数多くの新製品や話題が登場しましたが、その中で静かに、しかし確実に注目を集めたのがモトローラの新型スマートフォン「Motorola Signature」です。洗練されたデザインやフラッグシップ級の仕様に加え、同社として初めて「7年間のAndroid OSアップデート」を公式に約束した点が、大きな話題となっています。
消極的だったモトローラのアップデート方針に変化
これまでのモトローラは、ソフトウェアアップデートの提供期間について決して積極的とは言えないメーカーでした。完成度の高いハードウェアを持ちながら、OSアップデートは2〜3回にとどまるケースが多く、近年の最上位モデルであっても例外ではありません。
実際、2025年に登場した高価格帯の折りたたみモデルでも、OSアップデート保証は3年間にとどまっており、競合他社と比べると見劣りする状況が続いていました。そうした背景を考えると、Motorola Signatureが7年間のOSアップデートを保証した意義は非常に大きいと言えます。
SamsungやGoogleと肩を並べる長期サポート
7年というアップデート期間は、現在のAndroid市場ではSamsungやGoogleの最上位モデルと並ぶ水準です。モトローラは一気に「アップデートが弱いメーカー」から、「長期サポートを提供するメーカー」へと立ち位置を変えたことになります。
長年指摘されてきた課題に対し、ようやく明確な回答を示した形であり、この決断自体は高く評価されるべきでしょう。もっと早く実現してほしかったという声はあるものの、同社が方向転換したことは確かです。
懸念は「Signatureだけ」で終わらないかどうか
一方で、この取り組みがMotorola Signatureだけに限定されるのではないか、という不安も残ります。過去にもモトローラは、特定モデルのみアップデート期間を延ばした例がありました。
例えば2024年に登場したEdge 50 Neoは、同社初となる5年間のOSアップデート保証を掲げたモデルでした。当時は他の機種にも同様の方針が広がることが期待されましたが、結果として多くのモデルは従来どおり短期間のサポートにとどまり、全体的な改善には至りませんでした。
次の試金石は2026年Razrシリーズか
Motorola Signatureが一過性の存在ではないことを示すには、今後登場する他の主力モデルにも同等のアップデート保証を広げる必要があります。特に、2026年後半に発表が予想されているRazrシリーズは、その真価を測る重要な試金石となりそうです。
さらに、フラッグシップだけでなく、価格を抑えたMoto Gシリーズへの対応も重要です。同価格帯の競合製品が5〜7年のアップデートを提供する中、短期サポートのままでは選択肢として厳しい状況が続きます。仮に7年が難しくとも、5〜6年へと引き上げるだけでも大きな前進と言えるでしょう。
新時代の始まりになるかは今後次第
Motorola Signatureは、モトローラが長年抱えてきた弱点に正面から向き合った象徴的なモデルです。7年間のOSアップデートを初めて約束したという事実は、同社にとって明確な転換点となります。
ただし、本当の評価はこれからです。この方針が他のモデルにも広がり、モトローラ全体のスタンダードとなるのか。それともSignatureだけの特別扱いで終わるのか。長年同社を見てきたユーザーほど、期待と慎重さの両方を抱えているのが現状と言えるでしょう。

