
Pixelシリーズでは毎年のように発熱に関する話題が浮上しますが、Pixel 10 Proでも例外ではなかったようです。最新のTensor G5を搭載し、性能面では進化を遂げた一方、Android 16のQPRビルドを導入した端末で「異常に熱くなる」との報告が一部ユーザーから上がっています。
そうした中、ルート化コミュニティに所属する開発者が、発熱の根本原因とされる設定内容を突き止めたとして注目を集めています。
温度管理が数分間機能しない設定が存在?
発端となったのは、GitHub上に投稿されたPixel 10 Pro向けの検証結果です。marx161-cmdというハンドルネームの開発者が、端末のvendorファイルを調査したところ、温度管理に関わる重要な設定に問題がある可能性を発見したといいます。
問題とされているのは「VIRTUAL-SKIN-CPU-LIGHT-ODPM」という仮想温度センサーの設定で、温度をチェックする間隔が300,000ミリ秒、つまり5分に1回しか行われない状態になっていたとのことです。
この設定が事実であれば、高負荷な処理中に端末が数分間温度を監視しないまま動作し続け、CPU温度が90度を超えてからようやく制御が入る、という状況も起こり得ます。
開発者が公開した暫定的な修正モジュール
この仮説を検証するため、開発者はPixel 10 Pro向けの修正モジュール「Pixel 10 Pro Thermal Polling Fix」を公開しました。このモジュールはMagiskやKernelSUを用いたルート環境で動作し、温度管理の設定ファイルを上書きします。
主な変更点は、温度監視の間隔を5分から5秒へ大幅に短縮すること、65度で早めに制御が入る安全制限を設けること、そしてCPUクロックが頻繁に上下しないよう挙動を調整する点です。
開発者本人によれば、この修正を適用した結果、高負荷時でも端末が明らかに冷えやすくなったとしています。
冷却と性能のトレードオフには注意が必要
ただし、この対処法には注意点もあります。温度をこまめに監視し、低めの温度で制御をかけるということは、裏を返せばCPUの性能を早い段階で抑えるということでもあります。
コミュニティ内では、Googleがあえて監視頻度を低く設定し、ベンチマークやゲームなどでピーク性能を長く維持できるようにしているのではないか、という見方も出ています。その場合、今回の設定は単純なミスではなく、意図的な設計である可能性も否定できません。
導入は自己責任、公式対応待ちが無難か
現時点では、この問題は一人の開発者による指摘に基づくもので、広範な検証が行われたわけではありません。また、修正モジュールの導入にはルート化が必要であり、動作の不安定化や性能低下を招くリスクもあります。
それでも、Pixel 10 Proが「スマートフォンというよりカイロのようだ」と感じているユーザーにとっては、興味深い情報であることは確かです。今後、Googleが公式アップデートで発熱問題にどのような対応を行うのか、引き続き注目されます。

