
ソニーモバイルの最新ミッドレンジモデルとして登場した「Xperia 10 VII」ですが、発売直後の高評価から一転、ユーザー評価が大きく下落していることが明らかになりました。背景には、Android 16へのアップデート後に報告が増えている不具合の存在がある可能性があります。
発売直後はシリーズ最高クラスの高評価
Xperia 10 VIIは、デザイン刷新と順当な性能向上により、登場当初は高い注目を集めました。実際、10月下旬時点の価格.comにおけるユーザー満足度は5点満点中4.36ポイントと、Xperia 10シリーズとしては過去最高水準を記録していました。当サイトでも、ミッドレンジXperiaの名機になる可能性が高いとお伝えしていました。
約2か月で評価が大幅下落
しかしその後、状況は一変します。12月27日時点でのXperia 10 VIIの価格.comでの満足度は3.76ポイントまで低下しました。わずか2か月ほどで0.6ポイント以上も評価を落とした計算になり、ユーザーの不満が急速に広がっている様子がうかがえます。

AQUOS sense10に評価で逆転される展開に
国内で直接のライバルとされる「AQUOS sense10」は、現時点での価格.com評価が4.1ポイントとなっており、発売直後はXperia 10 VIIが上回っていたものの、現在は完全に逆転されています。ミッドレンジ市場における評価の構図が、短期間で入れ替わった形です。

Android 16アップデート後の不具合報告が相次ぐ
評価低下の主な要因として指摘されているのが、Android 16へのアップデート後に発生している各種不具合です。ユーザーからは、バッテリー消費の悪化、モバイル通信の不安定化、発熱、アプリのクラッシュなど、複数の問題が報告されています。
実際のレビューでは、「バッテリー持ちを理由に機種変更したのに、1日持たない」「満充電でも夕方には充電が必要になる」「電波のつかみが悪く、パケット詰まりが頻発する」といった声が目立ちます。これらの影響で、バッテリー評価や総合満足度を下方修正するユーザーも少なくありません。
アップデート前は評価が分かれつつも概ね好印象
一方で、Android 16アップデート以前の評価を見ると、デザインや軽量さ、カメラの起動速度、普段使いでの安定性などを評価する声も多く見られました。特に、Xperia 1シリーズからの乗り換えユーザーからは、軽さや扱いやすさを評価する意見もあり、Xperia 10シリーズらしいシンプルさを好む層には一定の支持があったことが分かります。
フラッグシップ不調の中で期待された存在だったが
なお、フラッグシップモデル「Xperia 1 VII」では、基板不良による文鎮化問題が発生し、シリーズとしては異例の低評価に陥りました。こうした背景もあり、安定したミッドレンジとしてXperia 10 VIIに寄せられていた期待は小さくありませんでした。
その意味で、発売直後の好調な評価は久々の明るい材料でしたが、OSアップデート後の評価急落により、状況はやや厳しさを増しています。今後、ソニー側が不具合修正を含むアップデートでどこまで信頼を回復できるかが、Xperia 10 VIIの評価を左右する重要なポイントになりそうです。
