シャオミ、武漢に全自動スマート家電工場を新設 人手を最小限に抑えた次世代生産拠点

シャオミは、ほとんど人の手を介さずに稼働する高度自動化のスマート家電工場を中国・武漢に開設したことを明らかにしました。同社の最新フラッグシップモデル「Xiaomi 17 Ultra」の発表イベントの中で紹介されたもので、すでに今年から本格稼働し、大型家電の量産を行っているといいます。

スマートフォン・EVに続く第3の中核工場

この新施設は「Xiaomiスマート家電工場」と呼ばれ、スマートフォン工場、自動車工場に続く同社3つ目の主要製造拠点に位置付けられています。武漢市の東湖ハイテク開発区に建設され、製品の設計・開発から量産までを一カ所で完結させる体制を採用しています。最大の特徴は、生産工程全体にわたって自動化を徹底している点です。

照明すら不要な「ライトアウト」生産

工場内の射出成形や板金加工といった工程は、シャオミが「ライトアウト製造」と呼ぶ完全自動化方式で運用されています。人が常駐しない前提のため照明すら不要で、加工精度は±0.05mmという非常に厳しい公差を実現しているとのことです。部材の搬送には、全長約4.2kmの空中コンベヤーが使われ、6つの工房を結んで効率的に移動させています。

自律走行ロボットが支える工場内物流

工場内の物流の大半は、161台の自律走行ロボットが担当しています。これらのロボットは障害物をリアルタイムで回避しながら部品を運搬し、工場内物流の90%以上をカバーしているといいます。その結果、搬送時のロス削減や生産効率の向上につながっており、最大稼働時にはエアコン1台が約6.5秒ごとにラインから完成するとされています。

AIによる全数検査で品質管理も自動化

品質管理の面でも自動化が進められています。基板や機械部品などの重要工程では、AIを活用した画像検査を導入。高解像度カメラとエッジAIモデルを用いることで、従来の抜き取り検査に頼らず、安定した品質チェックを可能にしているといいます。

異例のスピードで完成した新工場

この工場の建設スピードも注目点です。2024年8月に計画が承認され、同年11月に着工。わずか数カ月後の2025年1月には建屋が完成し、地元では記録的な早さだったとされています。

家電事業の拡大を進めるシャオミにとって、この全自動工場は単なる生産拠点にとどまらず、今後の製造戦略を象徴する存在といえそうです。人手への依存を抑えた次世代型のものづくりが、同社の競争力をさらに高めることになりそうです。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
Xiaomi・Redmi・POCO
スポンサーリンク
Sumahodigestをフォローする
スポンサーリンク