XDA Developers(以下XDA)の最新記事で、スマートフォンを含むmicroSDカードの使用に関するリスクについて詳しく解説されています。

記事によれば、かつてmicroSDカードは携帯機器の標準的な外部ストレージとして広く使われていました。初期のスマートフォンやハンディカム、MP3プレーヤーなどでデータを手軽に持ち運べる便利な手段でした。2025年現在でも、Nintendo SwitchやSteam Deck、Raspberry Pi、ドローンや防犯カメラなどでは現役で利用されています。しかし、特にスマートフォンにおいては重要なデータを保存する手段としては危険性が高いと警告しています。
スマホでのmicroSDカード対応は限定的
近年のハイエンドスマートフォンは、内蔵ストレージ容量が増加したためmicroSDスロットを廃止する傾向にあります。その中で、microSDカードに対応するハイエンドモデルは非常に限られており、代表的なのはSony Xperiaシリーズのみです。XDAは、スマホでmicroSDカードを使う場合も、紛失や故障、データ復旧の困難性といったリスクを理解したうえで利用する必要があると指摘しています。
モノリシック設計による復旧困難

多くのmicroSDカードは「モノリシック設計」で、コントローラーとNANDフラッシュが一体化されています。SSDやHDDのようにチップ単位でデータ復旧ができず、故障した場合はデータ抽出が非常に困難です。スマホでカードに亀裂が入った場合も、内部配線が切れてほぼ復旧不可能になります。
自然劣化と読み取りによる影響
microSDカードは電子を浮遊ゲート型トランジスタに閉じ込めることでデータを保存しますが、時間が経つと自然に電子が漏れ、保存された写真や文書が破損することがあります。また、同じデータを繰り返し読み込むと「リードディスターブ」と呼ばれる現象が発生し、隣接セルのデータが破損することもあります。SSDでは背景処理でセルを保護できますが、スマホ向けmicroSDカードにはこの機能がないため、劣化が避けられません。
microSDカードの適切な使い方
XDAは、microSDカードは携帯機器のストレージ拡張やゲームデータ、使い捨てメディアには便利であると評価しています。しかし、スマホのXperiaなど限られた機種であっても、代替不可能な写真や文書、バックアップ用データを保存するのには不向きです。一体型構造や劣化、簡易コントローラーのため、長期的なデータ保護は保証されません。
重要なデータはクラウドや外付けHDDなど、安全性の高い保存場所にバックアップすることが推奨されます。XDAの記事は、スマートフォンでmicroSDカードを利用する際のリスクを具体的に示しており、参考にすべき内容です。
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