
Apple初の折りたたみiPhoneは、来年の発売が噂されていますが、最新の報道によると、多くの人が想像しているよりも小型になる可能性があるようです。情報サイトThe Informationによれば、このブック型端末の外側ディスプレイはわずか5.3インチになるとのことです。これは、Appleが2022年に販売を終了したiPhone mini(5.4インチ)よりも小さいサイズです。この報道を受けて、「なぜAppleはこれほどコンパクトなサイズを選んだのか」との声も上がっています。
折りたたみデザインのサイズ戦略
The Informationの報告をもとに、コンテンツクリエイターのBen Geskin氏は、印刷した端末モデルの画像や動画を公開しています。これにより、手にしたときの感覚やAppleのデザイン戦略をイメージしやすくなっています。報道によると、ブック型折りたたみでは外側ディスプレイと内側ディスプレイのトレードオフが避けられないようです。
一般的に、縦長の外側画面は、展開時の内側パネルが正方形に近くなり、動画視聴やSplit Viewでの二画面表示などが扱いにくくなります。逆に、内側ディスプレイを矩形に近づけてマルチウィンドウに最適化すると、外側ディスプレイは幅広または小さめになり、片手での操作感や従来のスマートフォンとしての使いやすさが犠牲になります。
内側画面は4:3比率に
報道では、内側ディスプレイが4:3比率になる可能性が示唆されています。これは、iPadOSで提供されているSplit Viewなどのマルチタスク機能を、折りたたみ端末に移植しやすくする狙いがあると考えられます。この場合、展開状態がメインの使用モードとなり、軽量で携帯性の高いiPad体験を優先する設計となります。
一方で、折りたたみ時の外側ディスプレイは、日常的に使うスマートフォンとしては比較的小さく感じられるでしょう。例えば、噂の5.3インチ外側ディスプレイは、6.5インチのSamsung Galaxy Z Fold 7や6.3インチのGoogle Pixel Pro Foldのカバーディスプレイよりも小さいサイズです。Appleは意図的に「外側画面をメインのスマホ画面とする」従来の考え方から距離を置いているようです。
折りたたみ端末としての利用方針
サイズ選定には、Appleならではの明確な戦略があると考えられます。SamsungやGoogleはカバーディスプレイを通常のスマホ画面として扱う傾向がありますが、Appleは折りたたみ時を通知確認やクイック返信などのサブ的な利用に限定し、展開時にメイン体験を提供する設計とみられます。
しかし、ソフトウェアには限界もあります。折りたたみ状態で長文入力やブラウジング、サードパーティアプリの使用を想定すると、物理的に小さい画面は完全には補えません。その点で、iPhone miniとの比較が注目されます。特に、本機は2,000〜2,500ドル程度の高価格帯になると噂されており、Apple史上最も高額なiPhoneになる可能性があります。
最終的に、噂されるサイズからは、Appleが折りたたみ時の快適性よりも、展開時の体験価値を重視していることがうかがえます。折りたたみ時はコンパクトで非従来型の外側ディスプレイを受け入れる代わりに、内側ディスプレイでのシステム・アプリ体験を重視する設計です。ユーザーがこの端末を「折りたためるiPad」と考えるようになれば、デザイン上のトレードオフも自然で、Appleらしい戦略だと言えるでしょう。
噂の折りたたみiPhoneは、iPhone 18 Proモデルと同時期の2026年9月に発表される見込みです。

