
Oppoの次期フラッグシップとして登場が噂されている「Oppo Find X9」は、最新SoCであるDimensity 9500を搭載すると見られています。順当に考えれば、前世代モデル「Oppo Find X8」(Dimensity 9400)から性能が大きく向上しているはずですが、今回確認された複数のベンチマーク結果を整理すると、単純な性能向上とは言い切れない側面も浮かび上がってきました。
シングルコア性能はFind X9が優勢
まずシングルコア性能について見ると、Find X9は平均値・最高値ともにFind X8を上回っています。CPUコア単体の性能そのものは、Dimensity 9500世代で確実に引き上げられている印象です。

シングルコア平均と安定性の比較
| 機種 | SoC | シングルコア平均 | 標準偏差(バラツキ) |
|---|---|---|---|
| Oppo Find X9(CPH2797) | Dimensity 9500 | 約2,770 | 約413 (大きい) |
| Oppo Find X8(CPH2651) | Dimensity 9400 | 約2,650 | 約167 (小さい) |
Find X9では3000点超えの高スコアが頻出する一方、2000点前後まで落ち込む例も確認されています。ピーク性能は明確に進化していますが、スコアの振れ幅は大きめです。
マルチコア性能は平均で前世代が上回る
意外だったのがマルチコア性能です。Find X9は9000点台後半という非常に高いスコアを記録する一方で、4000点台や3000点台といった低い結果も混在しています。その結果、平均値ではFind X8がわずかに上回る形となりました。
マルチコア平均と安定性の比較
| 機種 | SoC | マルチコア平均 | 標準偏差(バラツキ) |
|---|---|---|---|
| Oppo Find X9(CPH2797) | Dimensity 9500 | 約7,800 | 約1,986 (非常に大きい) |
| Oppo Find X8(CPH2651) | Dimensity 9400 | 約7,900 | 約535 (比較的小さい) |
Find X9は「条件が良ければ非常に速い」ものの、負荷や温度条件によって大きく性能が制限されている可能性があり、平均値だけを見ると進化が分かりにくい結果になっています。
性能の安定性ではFind X8が明確に有利
標準偏差という観点で見ると、両機種の性格の違いがよりはっきりします。標準偏差は数値が大きいほどスコアのバラツキが大きく、性能が安定していないことを意味します。
Find X9のマルチコアの標準偏差は2000ポイント近くなので、これは少し雑な言い方をすると同モデルの〇コアのスコアは「計測毎に2000ポイント程度前後」するということにあんります。
性能安定性の傾向まとめ
| 機種 | シングルコア安定性 | マルチコア安定性 |
|---|---|---|
| Oppo Find X9 | △(振れ幅大) | △(非常に不安定) |
| Oppo Find X8 | ○(安定) | ○(安定) |
Dimensity 9400を搭載するFind X8は、全体としてスコアの分布が狭く、安定して高い性能を維持しています。長時間の処理や連続負荷を前提とした使い方では、こちらの方が扱いやすい可能性もありそうです。
ベンチマークから見えるFind X9の立ち位置
今回の一連のベンチマーク結果からは、Dimensity 9500が理論上の最大性能を大きく伸ばした一方で、平均性能や安定性では前世代から後退して見える場面があるという結論が導き出せます。
もっとも、これらは量産前端末や初期ソフトウェアによる測定結果である可能性が高く、最終的な製品版では熱設計やチューニングによって印象が変わる余地も十分にあります。Oppo Find X9が「尖った高性能モデル」になるのか、それとも安定性も含めて完成度を高めてくるのか、今後の続報に注目したいところです。

