長らく噂されてきたApple初の折りたたみスマートフォン「iPhone Fold」ですが、最大の注目ポイントである内部ディスプレイに関して、いまだ技術的な課題が残っている可能性が浮上しています。発売時期は秋と見られていますが、画面用ガラスの完成度次第では、供給面に影響が出るかもしれません。
折り目を極力感じさせない画面を目指すApple
iPhone Foldで最も重要視されているのが、開いた際に目立つ「折り目」をいかに抑えるかという点です。Weiboの著名リーカーであるDigital Chat Station氏によると、Appleは超薄型フレキシブルガラス（UFG）の採用を検討しており、厚みの異なる素材を組み合わせることで、曲げに対応する構造を試しているとされています。
ただし、このアプローチにはまだ解決すべき技術的課題があるようで、具体的な問題点は明かされていないものの、完全な仕上がりには至っていない可能性があると指摘されています。
秋発表は維持か、それとも供給制限か
仮にディスプレイ関連の問題が完全に解消されていない場合でも、Appleが秋の発表スケジュール自体を大きく変更する可能性は低いと見られています。その代わり、初期出荷台数をかなり絞った形で発売し、後から供給を増やす展開になる可能性が高そうです。
一方で、状況次第では十分な在庫を確保するため、発売そのものを後ろ倒しする判断が下される可能性も否定できません。
すでに解決済みとする情報もあり、真偽は不透明
今回の情報が注目される一方で、過去には「折り目問題はすでに解決された」とする報道もありました。既存の折りたたみスマートフォンでは、使用を重ねることで折り目部分にシワや亀裂が生じ、最終的に画面の寿命を縮めるケースが少なくありません。
Appleはこの問題を回避するため、サプライヤーと連携しながら独自の構造設計を進めているとされ、内側ディスプレイはSamsungがApple独自仕様に基づいて製造するとの情報もあります。
ヒンジ構造にも徹底したこだわり
ディスプレイだけでなく、ヒンジ部分の設計もiPhone Foldの重要な要素です。画面を支えるベアリング機構とパネルの一体化や、変形を最小限に抑えるための液体金属素材の採用が検討されているという噂もあります。
Apple製品の開発は数世代先を見据えて進められるのが通例で、部品の量産体制を整えるまでにも長い時間がかかります。もし今の段階で調整が必要な問題が残っているとすれば、製造スケジュールへの影響は避けられないでしょう。
現時点では情報が錯綜しており、iPhone Foldが秋に登場するのか、それとも万全を期して後ろ倒しになるのかは見通せません。ただ一つ確かなのは、Appleが初の折りたたみiPhoneにおいて、完成度を最優先しているという点です。今後の追加情報に注目が集まりそうです。
