サムスン、元AMD・Intel幹部を招聘しExynosチップの性能向上を加速

サムスンは、AMDやIntelでの豊富な経験を持つ元幹部を採用し、自社製Exynosプロセッサの強化に本腰を入れる動きを見せています。

高い専門性を持つ新リーダーがACLを率いる

新たにサムスンに加わったのは、ジョン・レイフィールド氏です。彼は以前AMDでコーポレート・バイスプレジデントを務め、約2か月前にサムスンに入社したことをLinkedInで公表しました。現在はテキサス州オースティンにあるサムスン・リサーチ・センター(SARC)のアドバンスド・コンピューティング・ラボ(ACL)でシニア・バイスプレジデントを務めています。

レイフィールド氏は、AMDやIntel、Arm、Imagination Technologies、NXPセミコンダクターズなどで長年にわたりチップ設計やシステムアーキテクチャの開発に携わってきました。AMDでは、Ryzen AI 300シリーズ搭載のCopilot+ PC向け開発にMicrosoftと密接に協力。Intel時代には、クライアント向けAIやVPU(ビジュアル・プロセッシング・ユニット)部門を率い、グラフィックやAIアクセラレーション、コンピュートアーキテクチャの開発を手がけてきました。

Exynosの弱点を補う狙い

近年、Exynosチップは性能面で批判を受けることが多く、特にExynos 990やExynos 2200はSnapdragon搭載端末に比べてグラフィック性能や持続的な処理性能で見劣りすることがありました。これに対しサムスンは、社内シリコン開発への投資を拡大し、その差を埋める取り組みを進めています。

レイフィールド氏は、GPU開発やSoC(システム・オン・チップ)アーキテクチャ、システムIPの研究など、Exynosの弱点とされる分野を中心に指導する予定です。ACLチームは、ゲーム性能やAIワークロード、電力効率の向上を実用的に実現することを目標としています。

2nm Exynos 2600への期待

今回の人事は、サムスンが発表したばかりの2nmプロセス採用Exynos 2600など、将来のフラッグシップチップ開発にも影響すると見られます。レイフィールド氏の効果が実際の製品で顕著に現れるには時間がかかる可能性がありますが、サムスンがExynosの強化と長期的なQualcomm依存の低減に真剣に取り組んでいることは明らかです。

今後、Galaxyユーザーは地域に関わらず安定した性能を体感できる可能性がありますが、具体的な成果が見られるのはまだ数世代後の製品になる見込みです。

source

スポンサーリンク
スポンサーリンク
Galaxy
スポンサーリンク
Sumahodigestをフォローする
スポンサーリンク