
Apple UKが、最新フラッグシップである「iPhone 17 Pro」と「iPhone 17 Pro Max」の新テレビCMを公開しました。映像の主役は、性能でも価格でもなく、ひそかに搭載された“冷却機能”。この機能が、これまでのiPhoneとは違うポイントとして強調されています。
高性能ゆえの“発熱対策”、Appleはどう取り組んだのか
今年のProモデルは、最新チップ「A19 Pro」を採用。AI処理やハイグラフィックゲームなど、複雑な処理を高速でこなせる反面、発熱は避けられません。そこでAppleが採用したのが、内部に密閉液体を含む「ベイパーチャンバー」と呼ばれる冷却パーツです。
この仕組みは、熱を受けた液体が蒸気になり、チップから離れた冷たい部分で再び液体に戻ることで、循環しながら効率よく熱を逃がすというもの。結果として、手が熱くなるほど発熱せず、性能低下を抑える狙いがあります。
実は“初”ではない? それでもAppleらしい見せ方
ベイパーチャンバー自体は、Appleが初めて採用した技術ではありません。2018年のASUS ROG Phoneを皮切りに、SamsungやLGなども既に搭載済み。しかし、Appleは遅れて登場したこの機能を、よりドラマチックに演出しました。
“冷えるから速い”を表現する30秒の物語
公開されたCMでは、灼熱の砂漠を走る汗だくのランナーが登場。雷鳴が響く中、ひとしずくの雨が彼の頭に落ちた瞬間、ランナーは一気にパワーアップします。

その後のシーンでは、走りながら長いピアノを軽快に弾き、同時に片手でルービックキューブを解くという超人的な描写に。ナレーションはこう締めくくります。
“冷えているから、限界に挑み続けられる。”
そして画面には「Vapor cooled for serious performance(本気の性能は、冷却から)」の文字と、Cosmic OrangeのiPhone 17 Pro、さらにA19 Proチップの映像が映し出されます。

発熱しにくい=“ずっと速い”
ベイパーチャンバーによる冷却は、単に触れたときに熱くならないだけでなく、性能低下を防ぎ、長時間の重い処理でも最大速度を維持できる点が大きなメリットです。新CMのタイトルも「Peak Performance(最高の速さ)」と名付けられ、冷却そのものが「性能の鍵」であることを強く印象づけています。
ハイパフォーマンス競争が激化する中、Appleは“速さとは冷却から生まれる”という新しいアピールを前面に押し出し始めたようです。冷静に、そして熱く戦うProモデルの姿勢が見える広告と言えるでしょう。

