Xperia 1 VIIに謎の「逆転現象」最新フラッグシップが前機種1 VIより低性能かつ不安定に

ソニーが2025年に投入したフラッグシップスマートフォン「Xperia 1 VII」。Snapdragon 8 Eliteを搭載し、スペック上では歴代Xperiaの中でも最高性能を誇るモデルです。しかし、最近のベンチマーク結果から、意外にも前世代機「Xperia 1 VI」を下回るケースが見られることが分かってきました。


ベンチマーク比較で見えた “予想外の結果”

Snapdragon 8 Elite搭載のXperia 1 VIIのマルチコア最高スコアは8000ポイント台なのに対し、Snapdragon 8 Gen 3搭載のXperia 1 VIのスコアはすべて6000ポイント台。チップセットに1世代分の違いがあるので、これは当然と言えます。

しかし以下は国内SIMフリー版のXperia 1 VI (XQ-EC44)とXperia 1 VII (XQ-FS44)期近25回分のスコアの平均値や標準偏差を見てみると、全く異なる事実が見えてきます。

Xperia 1 VIXperia 1 VII
シングルコア平均21282180
マルチコア平均64115974

シングルコアでは僅差ながら1 VIIが上回っていますが、マルチコアでは1 VIの方が平均値で優勢という結果になりました。通常であれば、上位チップを積む最新モデルの数値が下回ることは考えにくいはずです。


高性能なのに“不安定”? スコアのばらつきにも大きな違い

今回、さらに注目すべき点は「スコアの安定性」です。測定ごとのばらつきを示す標準偏差を比較すると、両機種の差はより鮮明になります。

Xperia 1 VIXperia 1 VII
シングルコア 標準偏差152671
マルチコア 標準偏差4511894

Xperia 1 VIIは、標準偏差が約3倍と明らかに大きく、性能が安定していない可能性が見受けられます。発売直後は8000~9000台のスコアが安定して出ていた印象でしたが、夏以降は平均値が低下し、ブレも大きくなる傾向が確認されています。


なぜ逆転? アップデートの影響か

現時点で、こうした“逆転現象”の理由は明らかになっていません。ただし、発売後に実施された複数回のソフトウェアアップデートにより、発熱制御やスロットリング制御の挙動が変化した可能性も考えられます。


Xperia 1 VIIは、スペック上では確かにトップクラスのチップを搭載しています。しかし、実際のパフォーマンスは平均値や安定性の面で想定外の傾向が見られ、前世代機と意外な形で競り合う状況となっています。今後のアップデートで挙動が改善されるのか、ユーザーや業界からの注目が続きそうです。

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