
今年のiPhone 17シリーズでは、ついに標準モデルにもProMotionが採用され、リフレッシュレート120Hzの滑らかな表示が全ラインナップで利用できるようになりました。価格は据え置きの699ドル(日本では各国価格に準ずる)と手頃なままで、特に中国市場で強い人気を獲得しています。
ディスプレイコストが鍵、標準モデルは“約4割”安く製造
海外メディアChosunがUBI Researchの調査を引用し報じたところによると、iPhone 17の標準モデルに使用されているOLEDパネルは、iPhone 17 Pro/Pro Max向けのパネルに比べて製造コストが約42%も安いとのことです。
推定単価は以下の通りです。
- iPhone 17(無印):約40ドル
- iPhone 17 Pro/Pro Max:60~70ドル
ProMotionが全機種で標準搭載になったにもかかわらず、標準モデルのパネルがこれだけ低コストというのは興味深いポイントです。結果として、Appleは昨年モデルから価格を引き上げる必要がなく、戦略的な価格維持が可能になったとみられます。
パネル供給はSamsungとLGがほぼ独占、BOEは苦戦
ディスプレイ供給元のシェアは、SamsungとLGの2社が圧倒的でした。
- Samsung:5,730万枚(シェア64.5%)
- LG:3,030万枚(シェア34.1%)
- BOE:130万枚(シェアわずか1.4%)
LGは、iPhone 17・iPhone Air・iPhone 17 Pro Max向けのパネルを担当しているとされています。
仕様はほぼ共通、違いは画素密度とベゼルの細さか
ディスプレイ仕様を比較すると、標準・Pro・Pro Maxはすべて同じHDR10対応、同じピーク輝度を備えています。差があるのは以下の点です。
- Pro Maxは解像度がさらに高い
- Pro/Pro Maxは極細ベゼル
特にベゼルの細さは製造負荷が大きく、歩留まりにも影響するため、パネル価格を押し上げた可能性があります。
iPhone 17シリーズの成功を支えた“見えないコスト調整”
結果的に、Appleは上位モデルとの差別化を維持しつつ、標準モデルの価格競争力を保つことに成功しました。ProMotion搭載・最新チップ・カメラ強化と、仕様アップに反して価格が据え置かれたのは大きな魅力であり、今年のiPhone 17が世界的にヒットしている背景でもあります。
市場ではすでに来年モデルの噂も出始めていますが、今年のAppleが見せたコスト管理と製品戦略は、スマートフォン市場において大きな存在感を示したと言えそうです。

