
Qualcommは、エントリー~ミドルレンジ向けとなる新世代モバイルプラットフォーム「Snapdragon 4 Gen 4」と「Snapdragon 6s 4G Gen 2」を正式に発表しました。いずれも2026年に登場する低価格スマホの主力になると見られ、性能の底上げや高速通信への対応など、手頃な価格帯でも最新機能を身近にする内容となっています。
Snapdragon 4 Gen 4:低価格帯にも本格5Gを
Snapdragon 4 Gen 4は、安価な5Gスマートフォン向けに開発された最新プラットフォームです。従来のSnapdragon 685に近い構造を持ちながら、モデムやISP(画像処理)を刷新し、日常的な使い勝手の向上を重視した仕上がりになっています。
CPUにはKryoコア、GPUにはAdrenoを組み合わせ、アプリ操作やアニメーションの滑らかさが向上。ディスプレイは最大120FPSに対応し、低価格帯ながら現代的な操作感を実現します。
カメラ性能も強化
画像処理はマルチフレームNR(ノイズ低減)をハードウェアで処理する仕組みに対応。最大108MPのイメージセンサーを扱え、暗所撮影や連写性能の改善が期待できます。
5G+急速充電で使いやすさ向上
5G通信をサポートし、電源周りではQuick Charge 4+に対応。約15分でバッテリーの50%まで回復できるため、短時間の充電でも十分使用できる点が魅力です。
Snapdragon 6s 4G Gen 2:4G専用でもパワフル
一方でSnapdragon 6s 4G Gen 2は、5Gが不要な市場向けに投入される4G専用チップです。最大2.9GHzで動作するKryo CPUにより、前世代比で約51%の処理性能向上を実現。GPU性能も20%強化され、軽めのゲームや動画再生なども快適になります。
6nmプロセスでFHD+120Hzも対応
6nmプロセスで製造され、FHD+解像度の120Hz表示にも対応。低価格ながらミドルクラスに近い表示性能を備えています。
カメラ・通信・充電の仕様
通信は4G LTEを中心としつつ、Wi-Fi 5やBluetooth 5.2もサポート。カメラは最大108MPまで対応し、ゼロシャッターラグ撮影にも対応します。充電はQuick Charge 3.0で、およそ35分で80%まで充電できます。
2つの新チップが狙う市場
両チップは2026年以降のエントリー/下位ミドルレンジモデルに搭載される見込みです。5Gが普及しつつも、地域によっては4G需要が根強い状況を踏まえ、Qualcommは幅広い価格帯と利用環境に合わせたラインアップを揃えてきた形です。
スマートフォン市場全体のハイスペック化が進む中、日常用途に十分な性能を持つ低価格帯モデルが今後さらに魅力を増していくことになりそうです。

