
米国最高裁判所は、Epic Gamesとの訴訟に関連してGoogleが求めていた一部命令の執行停止(猶予)を却下しました。この決定により、Googleは今後14日以内にPlayストアの仕組みを大幅に見直す必要があります。
開発者に外部リンクや独自決済の自由を認める義務
今回の最高裁の判断により、GoogleはPlayストアにおける複数の制限を撤廃しなければなりません。具体的には、アプリ開発者がPlayストア以外のダウンロード手段へのリンクを掲載できるようにすること、外部の決済システムを利用できるようにすること、そして価格設定を自由に行えるようにすることが義務付けられます。
さらに、Googleがこれまで行ってきた、スマートフォンメーカーや通信事業者、アプリ開発者に対して独占的な配信や事前インストールと引き換えに報酬や特典を提供する行為も禁止されます。
Epic Gamesとの長期戦に終止符か
この件の発端は、2020年にEpic GamesがGoogleを相手取り、「Playストアの手数料制度とアプリ配信の独占構造は反競争的だ」として提訴したことに始まります。2025年7月、Googleは控訴審でも敗訴し、14日以内の是正命令を受けましたが、最高裁に対し執行の一時停止を求めていました。しかし今回、その申請も退けられたことで、Googleは再び同じ期限内で改革を進めざるを得なくなりました。
Epic GamesのCEOであるティム・スウィーニー氏は、最高裁の判断を歓迎し、「開発者が真の選択肢を持てる環境が実現する」とコメントしています。
米アプリ市場の転換点となるか
今回の最高裁の決定は、米国内のアプリ市場における勢力図を大きく変える可能性があります。これまでGoogleのエコシステムに縛られていた開発者は、今後、独自の課金システムや販売経路を自由に設計できるようになります。
Googleにとっては厳しい判断ですが、アプリ配信の多様化が進むことで、利用者にとってもより公平で開かれたアプリ市場が実現する一歩となりそうです。