MediaTekの最新フラッグシップSoC「Dimensity 9500」のダイショット画像がSNS上で公開され、前世代からの進化ポイントが見えてきました。
ダイサイズは約140.79㎟に拡大

今回公開されたダイショットによると、Dimensity 9500のダイサイズは**約140.79㎟**で、Dimensity 9400(約126.26㎟)やSnapdragon 8 Elite Gen 5(約126㎟)と比べて明らかに大型化しています。単なる製造プロセスの最適化だけでは実現できない性能要求が背景にあるとみられます。
CPUとGPUの改良
CPU構成は前世代同様のオールP-core設計を採用しつつ、L2キャッシュを12MBから16MBへ拡張。高性能コアは従来どおりCPUクラスタ右下に配置されています。GPUにはMali C1 Ultraを搭載し、コア数はAdreno 840を大きく上回るとされます。
5GモデムとISPの配置変更
SoC内部の設計では、5Gモデムの縮小により空いた領域をISPや動画処理エンジンに割り当て。これにより、通信性能を維持しつつカメラや映像処理の強化が図られています。
AI処理を担うNPUが大幅に拡張
注目すべきは、AI処理専用のNPUが大幅に大型化している点です。オンデバイスAIの需要が高まる中、この分野での演算能力を強化した設計は自然な流れといえるでしょう。
今後の展望
Dimensity 9500は既存の設計をベースに着実な改良を重ねたモデルと位置づけられ、根本的なアーキテクチャの刷新は次世代のDimensity 9600で行われる見込みです。なお、Dimensity 9600はすでにTSMCの2nm「N2」プロセスでテープアウト済みと報じられています。
Dimensity 9500は、単なるプロセス微細化の延長ではなく、CPUキャッシュやNPU拡張など実使用に直結する部分で改良が施されました。AI・映像・ゲームといった多様な分野での性能向上が期待されるチップといえるでしょう。