
ソニーの最新ミッドレンジモデル Xperia 10 VII において、「電源が入らなくなり完全に使用不能になった」という、いわゆる「文鎮化」不具合がReddit上で報告されました。
投稿者によれば、購入初日は問題なく使用できたものの、翌朝になると背面が熱を帯びた状態で完全に動作不能となり、強制リセットやXperia Companionによる復旧を試みても反応がなかったとのことです。複数の充電器を試しても改善せず、現時点で端末は完全に起動不能になっていると報告されています。
Xperia 1 VIIでも類似の「文鎮化」問題が発生
この報告を受け、コミュニティ内では今年同様のトラブルが発生した Xperia 1 VII の事例との関連が指摘されています。Xperia 1 VIIでは、製造工程における基板不良が原因で、突然電源が入らなくなる事象が広範囲で発生しました。これを受け、ソニーは販売を一時停止し、対象機種を無償交換対応としています。

ちなみにこの投稿者は1日ほど前にXperia 10 VIIの入手報告をしていた人物で、その際の投稿では「とても気に入っている」と高評価をしていました。
今回のXperia 10 VIIの不具合はまだ1件のみの報告に留まっており、初期不良や個体差によるものとみられる可能性もあります。しかし、今後同様の報告が相次いだ場合には、Xperia 1 VIIと同じく構造的な不具合が疑われる恐れがあります。
スペックの主な進化
まず注目されるのは、チップセットが Snapdragon 6 Gen 1からSnapdragon 6s Gen 3へと刷新された点です。処理性能の大幅な向上こそないものの、省電力性や安定性の改善が期待されます。
また、バッテリー駆動時間の強化、防水性能の維持など、使い勝手に直結する部分では従来モデルからしっかり進化しています。
製造拠点の変更とその影響
一方で見逃せないのが製造体制の変化です。フラッグシップ機の Xperia 1 VIIでは、自社工場での生産を終了し、中国でのOEM製造に切り替えられました。この移行はコスト削減の一環とみられる一方で、基板不良の一因とも指摘されています。
今回のXperia 10 VIIについても、同じ委託先で製造されていると考えられており、品質面に不安を抱くユーザーの声も少なくありません。
まとめ
Xperia 10 VIIは、スペック面では「堅実な進化」を遂げたモデルといえます。しかし同時に、生産体制の変更による信頼性の低下が懸念される点は無視できません。特に、フラッグシップで起きた基板不良と同じリスクがこのミドルレンジ機にも及ぶ可能性は、ユーザーが購入前に意識しておくべきポイントとなるでしょう。ユーザーの不安とソニーへの期待