
スマートフォン市場で価格上昇の流れが一段と鮮明になってきました。Xiaomiが次期フラッグシップモデル「Xiaomi 17 Ultra」で約1割の値上げに踏み切る見通しとなり、これに続いてSamsungやAppleも同様の動きを見せる可能性が高まっています。背景には、AI需要の拡大を起点としたDRAM価格の上昇、いわゆる「DRAMスーパーサイクル」の存在があります。
DRAM価格高騰がスマートフォン価格を押し上げる
AI関連需要の拡大により、メモリ市場では供給が逼迫し、DRAM価格の上昇が続いています。スマートフォンメーカー各社にとって、メモリはコスト構造の中でも比重が大きく、価格転嫁を避けるのが難しい状況です。結果として、主要メーカーは利益率を維持するため、端末価格の引き上げに動き始めています。
Xiaomi 17 Ultraは約1割値上げ、海外価格はさらに上昇か

韓国メディアの報道によると、Xiaomiは12月25日19時(中国時間)に「Xiaomi 17 Ultra」を発表する予定です。中国国内での販売価格は6,999元とされ、前モデル「Xiaomi 15 Ultra」の6,499元から約10%の値上げとなります。さらに、グローバル向けの出荷価格は、中国での発売価格よりもさらに約1割高く設定される見込みです。
SamsungとAppleも追随の構え
同じ報道では、SamsungとAppleも来年以降のスマートフォンラインアップで大幅な価格調整を検討していると伝えられています。特にSamsungは、次期「Galaxy S26」シリーズに加え、「Z Fold 8」「Z Flip 8」といった折りたたみモデルについても、すでに約10%の値上げを決定したとされています。Appleについても、同様のコスト圧力に直面しており、価格改定に踏み切る可能性は否定できません。
メモリ確保のための契約がコスト増に直結
Xiaomiグループの盧偉冰総裁は、2026年に向けて十分なメモリチップの供給を確保したと明らかにしています。中国のYMTCなどと専用契約を結んだとみられますが、安定供給を得るためのコストは決して小さくありません。結果として、その負担が製品価格に反映されるのは自然な流れとも言えます。
スマートフォン市場では、性能向上やAI機能の強化が進む一方で、価格面では明確な上昇トレンドに入っています。Xiaomi 17 Ultraを皮切りに、2026年に向けたフラッグシップモデルは「高性能・高価格」が当たり前になる可能性が高く、消費者にとっては選択眼がこれまで以上に問われる局面となりそうです。


