Pixel 10が再びAndroidの新たな標準を築く—GoogleがNexus時代の姿勢を取り戻す

Pixel 10シリーズの正式発表が近づく中、Googleが再びAndroid全体の進化を牽引しようとしている兆しが見えてきました。まるでかつてのNexusシリーズ時代に戻ったかのようです。

Nexus時代の“標準を作る”姿勢が復活か

Pixelブランドが誕生する以前、Googleは毎年「Nexus」シリーズをリリースし、Androidの次なる標準を切り開いてきました。開発者向けリファレンス機として始まったNexusは、次第に新技術や新機能をいち早く実装する“業界のベンチマーク”としての役割を担うようになり、USB-Cポートの普及や指紋認証センサーの標準化、シームレスアップデート、そしてコンピュテーショナルフォトグラフィの進化にも大きく貢献しました。

一方、Pixelブランドがスタートしてからは、Googleが「自社が理想とするユーザー体験」を体現するためのデバイスという側面が強くなり、Nexus時代の「業界の道しるべ」としての立ち位置はやや後退していました。しかし最近になり、Pixelが再びAndroid全体の“指針”としての役割を取り戻しつつあります。

Pixel 8で示した「7年アップデート」の衝撃

その最たる例が、Pixel 8シリーズで発表された「最低7年間」のOS・セキュリティアップデート保証です。この発表は業界に大きな衝撃を与え、すぐにサムスンも同様のアップデートポリシーを導入。他のメーカーも徐々にサポート期間の延長を打ち出し、Android全体のソフトウェアサポート基準を押し上げる結果となりました。

Googleが自社の利益だけでなく、Androidエコシステム全体の底上げを意識して動いていることが明らかになった瞬間でした。

Pixel 10がQi2ワイヤレス充電標準の普及を促進か

そして、Pixel 10シリーズでは新たにQi2規格への本格対応が予定されています。Qi2はiPhoneでおなじみのMagSafeに似たマグネット付きワイヤレス充電規格ですが、現時点でAndroid陣営の対応は鈍く、HMDの「Skyline」以外にはまともに採用されていません。

サムスンも一応「Qi2 Ready」として対応を表明していますが、実際にはマグネットを内蔵せず、ケースメーカー頼りの中途半端な形です。そのため、ユーザー体験としてはiPhoneのMagSafeに遠く及ばず、標準化とは程遠い状況となっています。

そこにGoogleがPixel 10で“本気のQi2対応”を打ち出すことで、Androidメーカー全体に対し「無視できない流れ」を作り出そうとしているのです。自社のPixelエコシステム「Pixelsnap」の展開も含め、これは単なるiPhoneの追随ではなく、Androidにおける新たなスタンダードの確立に向けた動きだと言えるでしょう。

Pixelが再び「業界の指針」に

アップデートポリシーの強化に続き、ワイヤレス充電の新標準化へと進むGoogleの動きは、かつてNexusシリーズが担っていた「Androidのあるべき姿を示す」という役割をPixelが再び果たそうとしていることを示しています。

Pixel 10が正式発表されることで、GoogleがどこまでAndroidの進化をリードするのか、そして他メーカーがどのように追随するのかが注目されます。

via

スポンサーリンク
スポンサーリンク
Pixel
スポンサーリンク
Sumahodigestをフォローする
スポンサーリンク