
ソニーのスマートフォンブランド「Xperia」について、最近ネット上で「カメラ部門に統合されるのではないか」という見方が広まり、一部で話題となっています。確かにここ数年でXperiaのラインナップは縮小傾向にあり、2025年も例年通り「Xperia 1 VII」と「Xperia 10 VII」の2モデルのみになる可能性が高いと見られています。
しかし、この「Xperia=αカメラの一部になる」という解釈には、どうやら誤解があるようです。
誤解の発端はソニーの事業戦略説明資料
話の発端となったのは、ソニーが先日公開した投資家向けプレゼンテーション動画。ここでは、同社の今後の注力分野として、映像データの即時転送に関わる新技術や専用端末の開発が紹介されていました。
この中でソニーは、特にプロ向けカメラ「αシリーズ」と連携する形で、ポータブルデータトランスミッター(携帯型映像転送端末)の展開を強化していく方針を示しています。
これを受け、一部メディアやSNSでは「Xperiaがαカメラの周辺機器になるのでは」との憶測が飛び交うことになりました。
Xperiaとカメラ用端末は別物、技術だけが共有される
しかし、中国のSNS「Weibo」に投稿されたあるユーザーの指摘によれば、これには「誤解」があるとのことです。その内容を要約すると以下のようになります:

- ソニーは確かに映像転送に特化した新端末の開発を進めており、その中にはXperiaで培った通信技術やモバイルノウハウが活用される。
- ただし、そのことがXperiaスマートフォン自体をカメラ部門に統合するという意味ではない。
- Xperiaとポータブルデータトランスミッターは、あくまで別の製品ラインであり、事業単位でも独立している。
この投稿から読み取れるのは、ソニーは部門間での技術共有を積極的に進めているものの、それぞれの製品やブランドの独立性は今のところ維持されているという点です。
言い換えれば、これまでαカメラの撮影技術がXperiaのカメラ機能に応用されてきたように、今後はXperia側の通信・接続技術がαシリーズ向けの周辺機器に活かされる、「双方向の技術交流」が始まっているということかもしれません。
Xperiaブランド消滅の兆しは今のところなし
ソニーのモバイル部門をめぐっては、欧州市場の一部からの撤退など、事業規模縮小の動きが報じられているのも事実です。しかしながら、今回のような動きがそのまま「Xperiaブランドの終焉」につながるわけではなさそうです。
むしろ、今後はXperiaが単なるスマートフォンではなく、ソニーの他製品群と密接に連携する存在として再定義されていく可能性すらあります。
現時点では明確な発表はありませんが、Xperiaとαカメラの関係は統合ではなく“連携”という形で進化していくと見られています。ブランドの消滅を危惧する声もある一方で、ソニーならではの技術融合によって、これまでにない製品体験が生まれる可能性にも注目したいところです。