Qualcomm、新型Snapdragon 8 Elite Gen 2を2系統で開発中か――一部モデルはサムスン製に

Qualcommが次世代フラッグシップ向けチップセット「Snapdragon 8 Elite Gen 2」を2つのバージョンで開発している可能性が浮上しました。中でも注目されているのが、コードネーム「Kaanapali S」と呼ばれるモデルで、サムスンの2nm GAA(Gate-All-Around)プロセスを用いた試験生産がすでに始まっていると報じられています。

サムスン製2nm版はGalaxy S26専用に?

当初、Snapdragon 8 Elite Gen 2の量産はすべてTSMCの3nm「N3P」ノードで行われると見られていました。しかし今回の報道によれば、サムスンが製造する別バージョンが存在する可能性が高くなってきました。この2nm版は、Galaxy S26シリーズ専用チップとして計画されているようです。

韓国メディア「Business Post」とリーカー@Jukanlosreveによると、TSMC版に加えて、サムスンの2nm GAA技術を使ったSnapdragon 8 Elite Gen 2も存在しており、すでにテスト段階に入っているとのこと。歩留まり(良品率)も40%を超える水準に達しており、量産に向けてのハードルは徐々にクリアされつつあります。

本格量産は2026年Q1を想定、サムスン復権の兆し?

サムスンは2025年第1四半期の決算発表時に「2nm GAAの量産体制の安定化に注力しており、2025年後半には顧客からの受注を開始する」と述べていました。すでに同社は自社製SoC「Exynos 2600」の試作量産を始めており、近いうちに歩留まりを50%まで引き上げることを目指しているとされています。

このような状況がQualcommの関心を引き、2nmプロセス採用に向けたトライアルが進んでいると見られます。仮にサムスンがこのテスト段階を順調に突破できれば、2025年下半期中に本格的な量産スケジュールが立てられ、2026年初頭には出荷が開始される見込みです。

TSMCとの競争激化、サムスンの逆襲なるか

TSMCはすでに4月1日から2nmプロセスの受注を開始しており、現時点では依然として先行しています。しかし、今回のQualcommとの協業が実現すれば、サムスンにとって大きな巻き返しの一手となるかもしれません。

なお、現時点ではサムスンの月産ウエハー数に関する具体的な情報は公開されていませんが、技術進展が続けば、年内には生産規模が大きく拡大する可能性もあります。

サムスンが長年追い求めてきた“TSMCへの対抗”が、いよいよ現実のものとなるのか。Snapdragon 8 Elite Gen 2の2nm版が市場に投入されるかどうか、その動向に引き続き注目が集まりそうです。

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