ソニーモバイルの2021年版コンパクトフラッグシップ、Xperia 5 III。
国内でもドコモ、au、ソフトバンクが11月にリリース予定となっていますが、イギリスなど、欧州の一部でも出荷が開始され徐々に入手済みユーザーが増えてきているという印象です。
このXperia 5 III、サイズや画面解像度、ToFセンサーの有無、ワイヤレス充電の対応・非対応といった違いはありますが、同じSD888を搭載しており基本的な処理性能はXperia 1 IIIと同じはず。
しかし今回、ベンチマークスコアにおいてこのXperia 5 IIIとXperia 1 IIIの間にちょっと気になる違いがあることが分かりました。
ベンチマークスコアの平均は1割以上の差
以下はXperia 1 IIIとXperia 5 IIIそれぞれの10月10日時点の期近50回分のベンチマークスコアの平均値、中央値、そして標準偏差:
Xperia 1 III | Xperia 5 III | |
シングルコア (平均値) | 1107 | 1037 |
マルチコア (平均値) | 3390 | 2942 |
シングルコア (中央値) | 1116 | 1119 |
マルチコア (中央値) | 3511 | 3332 |
シングルコア (標準偏差) | 49 | 236 |
マルチコア (標準偏差) | 313 | 852 |
まず気付くのは、マルチコアでの平均値で、Xperia 5 IIIはXperia 1 IIIよりも1割以上スコアが低くなっています。
Xperia 5 IIIはベンチマークスコアはバラつきが大きい
Xperia 1 IIIは12GB RAM、Xperia 5 IIIは8GBという違いがありますが、ひょっとするとこのRAMサイズの違いがスコアの違いとなって表れているのでしょうか。
一方、中央値もXperia 5 IIIはXperia 1 IIIよりもスコアが低くなっていますがその差は平均値より縮まっており、これはXperia 5 IIIでは一部の低スコアが全体の平均値を大きく下げていることを意味します。
つまり、スコアそのものよりも気になるは標準偏差の表すスコアの差よりもスコアのバラつき方。
Xperia 1 IIIの場合、測定毎のスコアのばらつきはシングルコアで平均49ポイント、マルチコアで313程度ですが、Xperia 5 IIIはそれぞれ236ポイントと852ポイントとなっており、かなり大きな差が出ています。
つまり、ベンチマークスコアを比べる限りではXperia 5 IIIの性能はXperia 1 IIIよりも「不安定」ということに。
これはXperia 5 IIIは1 IIIと比べて発熱などを抑えるためにスロットリングがキックインしやすい可能性もありそう。
Xperia 5 IIIはXperia 1 IIIより一回り小さいボディーですが同容量のバッテリーを搭載するなど、スペース的に余裕がないのかもしれません。
このベンチマーク上の統計値の違いが実使用での使用感にどの程度影響するのかは現時点では不明。
ただ、Xperia 1 III以上に発熱報告やその副作用と思われる動作不具合などの報告が多いと要注意です。
データ参照元:Geekbench
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