Snapdragon 7 Gen 4が正式発表──ミドルハイ市場を狙う、CPU・GPU・AI処理が大幅進化

パフォーマンス強化で次世代ミドルレンジを牽引へ

Qualcomm(クアルコム)は、最新モバイル向けチップセット「Snapdragon 7 Gen 4(型番:SM7750-AB)」を正式に発表しました。前モデル「Snapdragon 7 Gen 3」からの大幅な性能向上を実現し、特にAI処理、CPU、GPUの各性能で飛躍的な進化を遂げています。早ければ数週間以内に、Honorの「Honor 400」シリーズのスマートフォンと共に市場に登場する予定です。

AI処理性能が約65%向上、ローカル処理も可能に

Snapdragon 7 Gen 4では、NPU(Neural Processing Unit)の処理能力が前世代比で最大65%も高速化されており、Stable Diffusionなどの生成AIをスマートフォン本体で直接処理できるようになるとされています。Hexagon NPUの詳細な仕様は明かされていませんが、AI活用を重視するアプリやカメラ機能においてその恩恵は大きいでしょう。

新設計のCPU・GPUでスムーズな体験を実現

CPUは新たに1+4+3構成のオクタコアレイアウトを採用。

  • プライムコア:1基(最大2.8GHz)
  • パフォーマンスコア:4基(2.4GHz)
  • 高効率コア:3基(1.8GHz)

これにより、CPU性能は前世代比で27%、GPU性能は30%の向上を果たしています。GPUは詳細なモデル名は明かされていないものの、Adreno系のもので、HLG、HDR10、HDR10+、HDR Vividといった映像技術に対応し、視覚体験の強化が図られています。

最大200MP撮影対応のカメラ性能と最新無線規格

Snapdragon 7 Gen 4には、トリプル12bit Spectra ISPが内蔵されており、静止画では最大2億画素の撮影に対応。さらに10bitカラーでの写真・動画撮影が可能で、映像は最大4K/30fps、もしくは1080p/120fps(HDRおよびHLG対応)で録画できます。

通信機能も抜かりなく、次世代のWi-Fi 7Bluetooth 6.0をサポート。さらに、aptX LosslessやaptX Adaptiveといった高音質コーデックも利用可能で、オーディオ体験も充実しています。5Gはsub-6GHz帯に対応しています。

メモリ・ストレージ構成も柔軟に対応

Snapdragon 7 Gen 4は、最大でLPDDR5-4200メモリに対応するほか、LPDDR4X-3200やLPDDR4-2100といった下位互換も確保。ストレージに関してはUFS 4.0、UFS 3.1、UFS 2.0の各規格をサポートしており、幅広い価格帯の端末で採用可能です。USBポートはUSB-C(USB 3.1)に対応しています。

なお、本チップセットは詳細非公開ながら4nmプロセスルールで製造されており、省電力性と高性能を両立する次世代SoCとして位置付けられています。

今後の展開に注目集まるSnapdragon 7シリーズの新章

Snapdragon 7 Gen 4は、ミドルレンジ〜ミドルハイ市場において新たな基準を打ち立てる存在となりそうです。特にAI処理能力の飛躍的な進化は、今後のスマートフォン体験を左右する重要な要素となるでしょう。Honorを皮切りに、各社からこのSoCを搭載した新モデルが続々と登場する見込みであり、2025年後半のスマートフォン市場を賑わせることは間違いなさそうです。

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