MediaTek、次世代フラッグシップ向けチップ「Dimensity 9400e」を発表——Realme Neo 7 Turboが初搭載へ

スマートフォン向けチップセットを手がけるMediaTekは、新たなフラッグシップ向けSoC(システム・オン・チップ)「Dimensity 9400e」を正式発表しました。パフォーマンスと省電力性の両立を図りながら、AI処理、ゲーミング、カメラ機能、通信性能など、あらゆる面で最新技術を詰め込んだ意欲作です。

最新アーキテクチャで圧倒的な処理性能を実現

Dimensity 9400eは、TSMCの第3世代4nmプロセスを採用し、CPUはすべて高性能コアで構成された「All Big Core」アーキテクチャを採用。最大3.4GHzで動作するCortex-X4コアを4基、2.0GHzのCortex-A720コアを4基搭載しています。GPUにはハイエンド向けの12コア「Immortalis-G720」を採用し、モバイル向けとしては非常に高い描画性能を発揮します。ハードウェアレベルのレイトレーシングやコンソール級のグローバルイルミネーションにも対応しており、スマホゲームの没入感を一段と高めてくれます。

ゲームもAIも快適にこなす多機能チップ

ゲーム性能の向上にも注力しており、MediaTek独自の「HyperEngine」に加えて、チップとアプリ間でリアルタイムにパフォーマンス調整を行う「Adaptive Gaming Technology」にも対応。高フレームレートを保ちながら、消費電力を抑える工夫が施されています。また、「フレームレート変換機能(Frame Rate Converter)」を有効にすることで、最大40%の省電力効果も期待できます。

さらに、生成AIアプリに対応した「MediaTek NeuroPilot SDK」もサポート。大規模言語モデル(LLM)や小規模言語モデル(SLM)を端末内で動作させることができ、Gemini NanoやDeepSeek R1-Distillといったマルチモーダルモデルにも対応しています。

カメラや音声処理機能も大幅に強化

カメラ関連では、18ビットRAW形式のフラッグシップISP(画像信号処理プロセッサ)を搭載し、最大16層の意味的画像分割が可能なAIビデオエンジンもサポート。ノイズリダクションも進化しており、3つのマイクによる高品質な音声収録にも対応しています。スマートフォンでの本格的な動画撮影を志すユーザーにとっても、魅力的な仕様と言えるでしょう。

通信性能も抜かりなし

通信面では、Sub-6GHz帯での4キャリアアグリゲーションによって、理論上は最大7Gbpsのダウンロード速度に対応。Wi-Fi 7のトライバンド同時接続により、最大7.3Gbpsの通信が可能です。さらに、MediaTekの省電力技術「5G UltraSave 3.0」や、デュアルSIMの同時待ち受けにも対応しており、実用性も申し分ありません。

Bluetooth接続範囲は、見通しの良い場所であれば最大5kmまで届くとされており、IoTやアウトドアでの活用にも期待がかかります。

初搭載モデルは「Realme Neo 7 Turbo」

このDimensity 9400eを最初に搭載するスマートフォンとして、「Realme Neo 7 Turbo」が今月、中国市場で登場予定です。ゲーミング性能を重視するユーザーや、最新のAI機能をいち早く体験したい人にとって、有力な選択肢となるでしょう。

ハイエンド市場での存在感を一層高めるMediaTek

今回発表されたDimensity 9400eは、性能、機能、通信、AIといった現代のスマートフォンに求められるすべてを高次元でバランスさせたチップです。これまでQualcommなどに後れを取っていたフラッグシップ市場において、MediaTekの存在感を大きく押し上げることになりそうです。今後の対応機種の拡がりにも注目が集まります。

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