Google、Pixelスマホの生産拠点をベトナムからインドへ本格移行か——関税リスクを回避する狙い

米Googleが自社スマートフォン「Pixel」シリーズの製造体制を再構築しつつあります。これまで主にベトナムで進めていた生産の一部を、インドに本格的に移管する動きが加速しているようです。

米国向けPixel、生産地の主軸をインドへ

インドの経済紙「The Economic Times」が報じたところによると、Googleの親会社であるAlphabetは、インド国内の製造パートナーであるDixon TechnologiesやFoxconnと協議を重ねており、特に米国市場向けPixel端末の生産をベトナムからインドへ移す方向で調整を進めているとのことです。

現在、Pixelシリーズの多くはベトナムで製造されていますが、米中貿易摩擦や関税制度の変動を背景に、より安定した供給網の構築が求められています。

部品の現地調達も視野に コスト最適化を図る

Googleは完成品の生産だけでなく、部品レベルでもインド国内への移行を検討しています。これには、充電器やバッテリー、指紋センサー、筐体(エンクロージャー)などが含まれ、現在は多くが他国からの輸入に頼っています。

製造パートナーに対しては、これらコンポーネントの現地調達を視野に入れた計画も共有しており、コスト面だけでなく供給の安定性向上を図る狙いがうかがえます。

関税の現状とGoogleの戦略的判断

今回の動きの背景には、複雑化する関税問題があります。米国では現在、中国からの輸入品に対して最大145%もの高関税が課されており(スマートフォンは現時点で除外)、さらにベトナムからの一部製品には46%の関税が科される予定でしたが、これが90日間延期されている状態です。

一方、インドからの輸入には26%の関税が適用されており、相対的にリスクが小さいため、Googleがインドへの生産移管を検討しているのは自然な流れといえるでしょう。

インド国内での生産体制はすでに稼働中

すでにインドでは、Pixelスマートフォンの月間生産台数が4万3,000~4万5,000台に達しており、現時点では主にインド国内市場向けに出荷されています。しかし、以前の報道によれば、将来的にはインドで製造されたPixelの多くを海外市場にも輸出する計画があるとされています。


Googleのこの動きは、地政学的リスクを避けつつ、コスト効率とサプライチェーンの柔軟性を高める狙いがあると見られます。今後、インドがPixelのグローバル製造拠点としての存在感を増すことになれば、インド国内の製造業全体にも大きな影響を与える可能性があります。

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