
米連邦捜査局(FBI)は、AndroidおよびiOSの利用者に向けて、政府関係者や捜査機関を装った詐欺メールに関する注意喚起を発表しました。今回の詐欺はスマートフォンだけでなく、WindowsやMacなど、すべてのユーザーが対象となるもので、油断は禁物です。
本物そっくりの「なりすまし」メールに注意
FBIフィラデルフィア支局によると、今回の詐欺ではFBI長官の写真や、FBIの正式なロゴ、レターヘッドなどが悪用されており、まるで本物の通知のように見えるのが特徴です。
しかし、よく見るとスペルミスや文法ミスが含まれていることが多く、そういった点が偽物を見抜くヒントになります。これらのメールは、金銭をだまし取ったり、個人情報を盗み出すことを目的としており、非常に悪質です。
詐欺はメールだけじゃない、電話も要警戒
FBIは、こうした詐欺がメールに限らず、電話でも行われていると警告しています。しかも、電話番号を偽装(スプーフィング)することで、あたかも本物の警察署や政府機関からの電話であるかのように装ってくるケースもあるとのことです。
「電話であっても、相手が名乗る機関を信用せず、一度通話を切ってください。そして、その内容を直ちに最寄りの法執行機関へ通報してください」とFBIは呼びかけています。
詐欺かどうかを見抜くポイント
そもそも、FBIをはじめとした公的機関が一般市民に対して直接電話やメールで金銭の支払いを要求することはありません。「逮捕を回避するために和解金を送ってほしい」といった話が出てきた時点で、それは間違いなく詐欺と考えて差し支えないでしょう。
以下は、自身を守るための具体的な対策です:
- 見覚えのない電話番号からの着信には応答しない
- 知らない人にお金を送らない
- 電話で社会保障番号などの個人情報を絶対に教えない
どんなユーザーでも被害者になる可能性がある
この手の詐欺は、スマートフォンのOSに関係なく誰もがターゲットになり得ます。AndroidやiPhoneの利用者はもちろん、PCユーザーにも被害が及んでおり、日常的にメールや電話を使うすべての人にとって他人事ではありません。
最近ではAIを用いた音声合成技術を利用し、家族の声を偽装する手口も登場していることから、ますます見分けがつきにくくなっています。
FBIは今後も新たな情報を公開していく予定ですので、不審な連絡を受けた際は速やかに正規の機関へ確認を取り、冷静に対応することが大切です。被害を未然に防ぐためにも、「自分は大丈夫」と思わず、常に警戒を怠らないようにしましょう。